地域コミュニティ試論 イントロ
地元の人と、余所者。
既存コミュニティと、流動的住民。
地域の担い手と、地域の傍観者。
もうずっと、かれこれ10年以上もそんなことを考えています。
2年未満で住まいを動き続けるような根無し草としての生活を続けている限り、おそらくそのことについて考えるのをやめられそうもありません。
そこから抜け出す手段はただ一つ、地域に根を張るということ。
終の住処とは言わずとも、”その地で生きる”という決断が必要になります。
"地域に根を張るということ"は、単に土地や家を購入することだけに限定されるものではありませんが、少なくとも通学地や勤務地へのアクセスと家計的事情のバランスだけで居住地を選んでいる段階では、到底至り得ないものではないでしょうか。
その時点で余所者は、"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"となる資格を得ます。
難しいのは、ここで言う"資格"はやや特殊な性格を帯びており、資格を持った上で地域に入門することが求められるということです。
入門方法にはいくつかあって、まずは公園デビューからなのか、PTAに参加することなのか、町内会の組長・班長などの役職を務めることなのか、消防団に入ることなのか、他にもあるのかもしれません。
そうした試みを繰り返したところで、結果的に"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"となるというストーリーが、まだ余所者でしかない私の推論的仮説です。
ここで私が主張したいことであり、かつ疑問なのは、"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"になるということが、地域に根を張る前には不可能なのか?ということです。
要は、アパートで賃貸暮らしをしている学生や単身者は、地域と切り離された存在でいるほかないのか?ということ。
これまで、それに抗おうとしてきました。
町内会への参加。
地域活動への参加。
ブログによる情報発信。
地域イベントの企画。
町内会活性化戦略検討会議の発足。
既存の大きな流れへの"参加"から、次第に仕掛ける側になっていきました。
一方で、マツリズムのような、もうある程度割り切ってしまうような活動に合流したりもしました。
この試行錯誤を経て、いろいろ見えてきたことがあるので、これから何回か連載的に書いてみようと思います。
とりあえず今日は、イントロダクションということで。
豊橋駅前でのエリアマネジメントの検討が進んでいます
昨年の8月から本格的に動き始めた豊橋駅前でのエリアマネジメント検討は、早くも2年目に入っています。
昨年は検討にあたっての大枠に関する協議をした後、今年は検討の場を開かれた場所に移し、具体的な組織や企画に関する議論に進もうとしています。
水上ビルやPLAT、そして今回の駅二再開発のエリアを中心とした"駅南地区"では、もともと任意の協議組織である「豊橋駅前大通地区まちなみデザイン会議」がありました。
その中の部会として、「(仮)エリアマネジメント検討部会」が発足したのが今年4月。
ステキなウェブサイトもできており、これまでの資料や検討の記録がかなり詳細に公開されています。
そしてこの間の7月に拡大ワークショップ「まちじゅうステージ」が開催されました。
豊橋まちなかで活動する人、活動したい人がPLATに集まり、豊橋駅前というフィールドで、やりたいことについてアイデアワークショップが行われました。
いまだ分析途中ですが、アイデアの1つ1つが原石です。
この付箋1つ1つに、豊橋駅前に対する思いが溢れているようです。
そして9月26日に、第四回のエリマネ部会が開発ビルにて開かれました。
そこでは、まず7月20日に開催した拡大ワークショップを総括し、そこから導き出される『まちが望む「価値」』について紹介されました。
(当日資料より)
その「価値」とは、「つながる」「わくわく」「かいてき」というもの。
まちなかで人と繋がりたい。世代を繋げたい。文化をつなぎたい。拠点が欲しい。発信したい。こうした声はコミュニティの拡がりや深まりを望む声で、「つながる」と総括しました。
また、まちなかのナイトライフを楽しみたい。まちなかを一人でも楽しみたい。ソトを楽しみたい。こうした声は、まちなかでもっと楽しみたいということと捉え、「わくわく」と総括しました。
最後に、まちなかであらゆる人が不便なく楽しみたい。つながりたい。ということで、前2つを支えるものとしての「かいてき」と総括しました。
こうした「価値」をまちなかエリアに新たに付与し、「豊橋まちなかのリブランディング」を目指すのがエリアマネジメントです。
こうした観点で今後の組織体制や事業内容が詰められていくこととなります。
サポーターである小泉先生(東京大学大学院教授かつ私の元指導教員)の説明にも熱が入ります。
(駅デザ会議のFacebookページより)
机上の話から、じゃあ何をやっていこうかという具体の話に移りつつあるフェーズです。
まだ広くリリースして参加者を募るレベルの段階ではありませんが、引き続き情報発信を続けていきたいと思います。
町内会の活性化戦略検討プロジェクトを始めました。
3年半前にこのブログを始めた時から気になっていた、町内会・自治会という存在。
さらに遡れば大学3年生の頃から意識をし始めた、単身者にとっても眼前に広がっているのにまったく手の届かない存在。
ここにきてようやく、そんな町内会と一緒にまちづくりに取り組めることになりそうです。
これまで、町内会絡みでこんな記事を書いてきました。
いずれも、意識だけはあるものの積極的な行動が伴わず、具体的な成果にまでは至らなかった試みたち。
徒労な一方で、もちろん学んだことも多かった。
町内会の課題
なぜこんなにこだわっているのかと言えば、町内会が抱えている課題は、私の問題意識と共通しているのです。
それは、「既存住民と新規住民のちょうどいいカンケイとは何か?」ということ。
町内会・自治会の由来を戦時中の大政翼賛会の末端組織としてか、はたまた隣組的な監視組織として見るかはともかく、地縁に基づくコミュニティというものは、近年再び重要性が見直されています。
よく言われるのは災害時の共助の受け皿、高齢者の孤独死問題といった課題解決の側面ですが、その他にも、地域に知り合いが増えることにより日々のQoL(生活の質)を高める効果や、行政ではどうしても細かく見ることのできない地域単位のきめ細やかな課題解決のカギを握っているのが、地域の最小単位である町内会だと思うのです。
しかしそれはあくまで机上のお話で、町内会の実際を見ると、理想的とはなかなか言えない状況のようです。
生粋の住民である高齢者のみによってかろうじて維持される運営には、単身者やファミリー世代を問わず若い世代が不在となっています。
地域の高齢化は、これまで可能であった祭礼や盆踊り、餅つき大会といった行事運営に支障をきたし、縮小化や外部委託化を余儀なくされ、町内会活動の疲弊と言われるような事態を生じます。
そこに、地域コミュニティを"面倒なしがらみ"として捉える傾向が重なり、担い手となりうる世代は離れていくばかり。
なるほど、溢れるモノによって基本的な生活の質は世帯単位だけで確保することが容易になり、町内会に相互扶助的な役割をあまり必要としなくなったのかもしれません。
さらに、平日はほぼ会社で過ごすような世代にとって、夜や土日の時間を投げ出してまで参加することもあるような町内会に対して、及び腰になるのも無理ないことでしょう。
しかし彼らも地域からの完全な孤立を望んでいるわけではなく、現代的な「ちょうどよい関係」を求めていると思うのです。
「担い手」としての新規世代を求める既存住民と、「適度なつながり」を求める新規住民は、確かにいます。
お互い反発しているわけではないのに、ちょっとした意思疎通の不足がこの事態を生んでいるのだとすれば、この間の「ちょうどよいカンケイ」を見つけることはとても大切だと感じます。
潜在的には片思いなのに、その糸口がなかなかない。
それが、都会的な地域コミュニティに生じている症状だと考えています。
これまでの経緯
そんな問題意識と、私の超個人的な「そろそろ地域に溶け込んで生活してみたいな」という思いが混じった結果、これまで中途半端ながらの取り組みを、先に挙げたように試みてきたわけです。
そんな反復は、個別には徒労に終わった部分も多いでしょう。
しかしここ町屋では、この一年半の間いろんな方向に種を蒔いてきた甲斐もあって、なんとか次のステップに移行しようとしています。
現在、具体的な町内会を対象に、そこの役員さんを筆頭に、同じく町屋地域に住むシニアや若者で戦略会議を結成し、前述したような町内会の課題を解決して活性化を図ろうとするプロジェクトを進めているのです。
これまで3回ほどの打ち合わせを重ね、対象町内会の圏域にお住いの方々の考えを把握するためのアンケート調査を実施しました。
結果は町内会報としてまとめられて全戸配布され、地域に「おや、町内会が何か動き出したな」というインパクトを与えられたのではないかと思っています。
アンケートプロジェクト
【町内会のあり方PJ】ついに動き出しました。第一弾、まずはアンケートから。 pic.twitter.com/3O9ZxGDj2M
— こむば氏@荒川 (@KMB_Masa) 2017年7月23日
まずは、町内会圏域にお住いの方々が、どんなことを町内会に望んでいるのかという基本的なことを把握するため、アンケートを実施しました。
全世帯に対する調査はさすがに骨が折れるということで、まずは7月の町内会イベント「納涼会」へ来場してくださった方々に向けて。
A4両面程度の、簡単な調査票を作ってみました。
(調査票の冒頭部分)
集計し、分析。
やはりサンプル数は少ないので統計的な何かが言えるわけではありませんが、町内会として変わり始めたということを少しでもアピールするため、町会だよりのアンケート特集号を発行しました。
(アンケート結果を知らせる町会だより)
当面の狙い
当面は、地域コミュニティの防災面での役割を強調しつつ、若い方々にも参加しやすい町内会の土壌づくりに向けた戦略を練っていこうと思っています。
自主防災組織とか地域防災計画とか、そのあたりがキーワードになってくるのか。
はたまた、もっとロハスでオシャレな活動に手を広げていくべきか。
とにかく面白いプロジェクトになりそうなのは間違いないので、このブログで引き続き発信していきます。
【明日が発表会らしい】蒲郡地域活性化プランコンテストは蒲郡地域を活性化させるか。
故郷・蒲郡を舞台にした素晴らしい取組があるようで、蒲郡人の端くれとしてとても嫉妬しています。
どんなコンテストなのかと言えば。
全国から約20名の大学生を蒲郡に集め、2泊3日の合宿形式で蒲郡の地域活性化プランを考え、
それを最終日に審査員や市民の皆様に発表をするプランコンテストです。
運営は地元出身の学生や地元の大学に通う大学生を主体とした若者主体で行う、
大学生の、大学生による、蒲郡のための地域活性化プランコンテストです!(公式サイトより)
なるほどなるほど。
合宿形式のグループワークで案を練り上げるということは、小布施若者会議やリノベーションスクール、さらにはハッカソンのような短期集中型の取組ということでしょうか。
ホームページなどを見る限り、蒲郡を舞台にしたここまでの前のめりな取組を私は知りません。
どんな主体がこのプロジェクトを進めているのでしょうか。
主催:蒲郡地域活性化プランコンテスト実行委員会
後援:蒲郡市
一般社団法人蒲郡青年会議所
形原観光協会
東京大学×博報堂ブランドデザインスタジオ
ん?
何やら母校と大手広告代理店の名前が。。。
改めてこうした取組は、蒲郡に対して思いがあるものの具体的なアクションを起こせていない身としてはとても歯がゆいものの、やはりとてもとても嬉しいのです。
全国から若い知恵が集まってきて、3日間蒲郡のことを真剣に考えてくれる。
そこで生まれるアイデアが貴重であることはもちろん、そのアイデアが"その場で生まれた"というストーリーそのものもとても重要になってくるでしょう。
ホームページ情報からは読み取れませんが、コンテストで競い合ったアイデアやソーシャルキャピタルを、実際に活かして次のステップに進める仕組みがあると良いな、と切に思います。
どうなんだろ。どうなんだろ。
実に12年ぶりに手筒花火を放揚することになった。
私の出身である愛知県東部には、手筒花火という文化があります。
言葉よりも写真が伝わりやすいと思うので、こちらをご覧ください。
この写真超かっこいい。。。
そういえば2年半ほど前に、関連する記事を書いてましたね。
この花火を、12年ぶりに放揚できることになりました。
どういうことかと言えば。
かつては豊橋市を中心に広範囲に手筒花火の文化があったらしいのですが、今やこうした地域文化も縮小の一途を辿っています。
例えば私の故郷である蒲郡市においては、手筒花火のあがるお祭りは非常に限定的。
近年問い合わせたところ、氏神様である竹谷神社では"ヨウカン"という小さな手持ち型の手筒花火があるのみのようです。(知らなかった)
その結果、私は高校卒業するまで手筒花火という存在を知りませんでした。
抱きかかえる形の手筒花火を放揚するには、蒲郡市では難しそうだった。
一方で、豊橋市では手筒花火の文化が今も強く残っていて、各地の神社の普通のお祭りで放揚されています。
大きなものは吉田神社や羽田八幡のほか、全市的なイベントとして行われる炎の祭典といったものもあります。
そんな中、豊橋市の小浜神社というところのお祭りではオープン参加枠(もちろん紹介ありきですが)を受け付けており、今回の参加のはこびとなったわけです。
この小浜神社、実は12年前(2005年)に手筒花火を初めて放揚した神社で、感慨深いものがあります。。。
先日、その準備作業として縄巻きというものを体験してきました。
小浜神社のお祭りは10月7日(土)8日(日)の2日間で、手筒花火があがるのは土曜日の夜です。
経験的にこの花火は、放揚の直後に"男を上げた"ようになる爽快感が特徴的で、頭がスッキリしたり、モヤモヤしたものを晴らしてくれる力があります。
今回の放揚で、また一つ脱皮できたら。
荒川区再入国1週間の出会い
荒川区民となって、はや1週間。
この間に知り合った荒川区民の数は、7名を数えます。
あらかわらいふ発起人
いつかこのブログでもご紹介した、荒川区の地域情報をつまみにした相互コミュニケーションが行われているウェブ空間。
今回は荒川区生涯学習課の方の紹介で、あらかわらいふの発起人の方にお会いすることができました。
「(仮称)町屋サミット」についてご相談させていただき、荒川区で地域活動を始める上での様々なアドバイスをもらいました。
荒川コミニティカレッジをなんと2度も修了されているというパワフルなお方。
なおかつ、荒川区での地域活動の他に、東京の町歩きを開催するNPO法人まで立ち上げられています。。。。
「(仮称)町屋サミット」のスピーカーとして、ノドから手が出るほど招聘したい巨人です。
そして、お会いしている中でこんな発言をされました。
「明日、コミカレに乱入して企画の告知してしまいません?」
お、急展開。
荒川コミュニティカレッジ7期生(クリエイティブコース)
そんなわけで水曜日は、サンパール荒川で開催されているコミカレの講座に、コミカレ修了生2名とともに殴り込んできました。
名目上の目的は、「(仮称)町屋サミット」の企画を告知して賛同者を募ること。
そして裏の目的としては、開講後間もないためにいまひとつ受講生同士の交流が発生していないコミカレの雰囲気に、お節介なくさびを打ち込むこと。
※コミカレ開講場所であるサンパール荒川から徒歩2分の場所にちょうどよくサイゼリヤがあるものの、日が浅いため今期は会食場所として使われずにいた(らしい)
講義修了5分前に会場入りし、活動紹介と自己紹介。
そして、「とりあえずサイゼリヤ行きません?」のお誘い。
フタを開けると、6名のコミカレ生が来てくださいました。
自己紹介したり、荒川区在住歴を伺う。どうやら今期は生粋の荒川区民というのは少なめな印象です。
そして肝心の「(仮称)町屋サミット」について説明したところ、なんとか興味持ってくれたのかな、、、という手応えでした。
むしろ嬉しかったのは、企画への賛同よりも、”とりあえずやってみましょうよ!”という声が聞かれたこと。
そうなんですよね。
能書きとか体制の検討とか机上でいくら考えても、実践に勝るものはありません。
むしろ、考えたり準備しすぎてヘタに膨らんだ結果、意思決定が遅れたり面白くなくなったりなんてこともありそうです。
細かいことは、走りながら考えればよいか。
加速させていきますよ。
正式な荒川区民となりました。
ついに、引っ越しました。
新居は、町屋駅から徒歩10分以内の賃貸マンション。
半休を取得し、町屋区民事務所で転入の手続きを行ってきました。
荒川区はこうした出張所でも転出入の手続きができるのがありがたいです。
(青葉区は区役所本庁だけしかできなかった)
手続きとは言え、単身のためか、ものの5分もかからずに終了。
この儀式だけで、3年4ヶ月ぶりの東京都民、6年ぶりの荒川区民に復帰です。
転入者向けの資料一式をいただく。
まずは西川区長からの歓迎の言葉。
荒川区の「わたしの便利帳」。
荒川区ライフを送る上でのトリセツのようなものですね。
ブランクが長いので、とりあえずこれを熟読して遅れを取り戻さねばなりません。。。
新たなアドベンチャーの、幕が上がります。