no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

都議会セクハラ野次騒動への不安と期待と

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朝日新聞電子版より こちらより)

 

ここのところニュースを騒がしているセクハラ野次騒動。

先日ようやくセクハラ発言を認めた都議が一人現れ、(被害者?である)都議に謝罪したとの報道がありました。

しかし、セクハラ野次を飛ばしたのは明らかに一人だけではない。更なる発言者特定をしようという流れもあり、まだまだ動きは一段落しません。

 

 

さて、まずはこの話を復習するために、この件を声高に問題提起された一人であるおときた駿都議のブログより時系列にご紹介。

※ちなみにおときた都議は、都議になられる遥か遠い昔にほんの少しだけお酒をご一緒したことがあり、その時から私が片想い的に憧れている人物。

 

女性議員に対して「早く結婚しろ!」「子どもは産めないのかっ!」と野次を飛ばす、最低最悪の議会へ | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

塩村あやか議員より「侮辱に対する処置」を要求します | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

都議会に、自浄能力はない?「侮辱に対する処置」要求は、不受理(差し戻し)となりました | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

【都議会ヤジ問題】「こんなの日常茶飯事」で終わらせないために | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

世論が引き出した会見と謝罪…議会が、政治が変わる第一歩! | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

 

 

 簡単に要約すると、

 

①塩村都議が都議会代表質問で少子化対策分野の発言をしている最中に、「お前が早く結婚しろ」「子供は産めないのか」との野次が起こり、笑いが起こる。

 

②同会派議員や女性議員らがこの問題を重く捉え、

・会派が議会に発言者特定・再発防止を要求

・塩村都議本人が、地方自治法に基づく「侮辱に対する処置」を提出し、発信者の調査及び処分を要求→議会は受理せず

 

③ムーブメントにたまらず発言者の一人が炙り出されて謝罪

 

 

声紋分析など、犯人探しへの熱がエスカレートしすぎているきらいはありますが、概ねこんなところでしょう。

朝日新聞からは「女性都議へのヤジ問題」として、記事がまとまれていますのでこちらもどうぞ。

 

 

 

この騒ぎに対する私の違和感は明確です。

“セクハラ発言=悪"というように、問題構造が単純化されすぎてやしませんか?

さらに、特定の考え方を認めない風潮が、過剰に煽られていませんか?

 

 

今回、ここまで大きな騒ぎとなった要因を想像すると、
おおむね以下の2つの視点に落ち着くのではないでしょうか。

 

①女性の社会参加のための環境整備に取組んでいる塩村都議に対して、水を差す発言は問題である

②都民から選ばれた代議士として、品のないヤジは問題である

 

このあたりでしょうか。

 

 

 

最近は朝の情報番組くらいしかテレビを見なくなりましたが、ここのところの特集はこの騒動に関するものが多く、
取り上げ方のほとんどがこの犯人探しだったように思います。

槍玉にあげられた特定の会派へのインタビューと、
都民への街頭インタビューによる、「あれは、ないよねえ。」「人間性を疑う。」「選んだ都民として恥ずかしい。」というような一面的な視点のみの声。

 

そしてこの発言自体を認めない偏向的社会風潮のみが高まり、いたたまれなくなって当事者の一人があぶり出された。

そして謝罪する都議を徹底的に叩く。

 

もはや、公共の場での野次が問題なのか、女性に対するセクハラ野次が問題なのか、

それとも「女性は専業主婦として家事・育児に従事すべき」という考え方自体が問題なのかがよくわからなくなってきている。

 

 

私自身としてはこの騒動を、

この失言を政治的好機と捉え、情報発信を巧みに行って世論を温め、 

そして“何か”を動かした、おときた都議をはじめとする塩村都議サイドの、

高度に政治的な勝利だと捉えています。

 

つまり、自民党の都議が無意識的ながら発言したこのセクハラ野次が、社会問題として取り上げられたことで、政治的敵対者がつけいる隙を与えた。

そしてこれを、政治を一人一人の都民の近いものにしたいと考える某都議が取り上げ、
一時的なキャンペーンを張った。
結果として、「発言者の自白」を引き出した。 

 

だから私は、「おときたさん、やるなあ」と思うわけです。

 

この「発言者の自白」という成果物に対して、

おときた都議がそのブログで「これはみなさんで勝ち取ったもの。一人一人の声で政治は動く。」という主旨の記事を書いていたことに胸が震えました。

この言葉から、セクハラを否定するというイデオロギー的意図よりも、
「一人一人の声で政治はちゃんと動くんです!」というデモンストレーションがしたかった意図のほうが大きかったことが推察されるから。

 

 

議会が、政治が、皆さまの力で確実に変わったんです。
「自分ひとりの力じゃ…」なんてことは、絶対にないんです。

だからみなさん、どうか、政治を諦めないでください。

今回のように派手に目に見えなくても、
声を届け続ければ少しずつ、でも確実に政治は変わります。
それが民主主義なんです。それが日本の政治なんです。

(おときた駿公式ブログより)

 

もちろん、都議会での決議自体は難航していたようで、単純に会派「みんなの党Tokyo」がうまみを手にしたというわけでもないですが。

 

 

言いたいことは何か。

この騒動の結果として、わが国における「女性に対して専業主婦としての役割を強いる前時代的考え方」に公式なNOが出たわけではないということは強調したいと思います。

 

もちろん私自身の考え方としては、男女共同参画社会の実現をささやかながら祈る立場であり、ヤジ発言に見られるような立場には賛同できません。

性差が、個人個人の社会実現を拘束しないような社会環境を夢見る立場であります。

 

しかし、 そうした考え方や、考え方を持つ人の存在を排除するような社会的風潮になっては危険だな、と思うのです。

 

「思想の自由」「良心の自由」を否定するな!みたいなことを書くとそれっぽく知的に聞こえますが、
“それなら特定の考え方を排除する自由だってあるだろう”とか言われそうなのでこれ以上書きません…

 

 

ここまで書いたところで、高校大学の先輩でおときた駿都議と並んで私の尊敬する方が、

ブログでこれに近い主旨のことを書いておられました。

私では言葉足らずなところまで、丁寧に書かれていますので、紹介いたします。

 

都議会セクハラ野次ムーブメントへの違和感 : 愛知豊橋・長坂尚登のblog

 

 

 

今日はこんなところで。