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no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

モトスミ周辺案内③「モトスミ・オズ通り商店街」

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(2014年4月27日16時頃)

 

私は元住吉駅からみて西側のエリアに住んでいるので、駅の東に広がるオズ通り商店街についてはなかなかネタが集まらず。

ようやくネタがたまってきたので、オズ通りについても書いてみます。

 

既に触れましたが、オズ通りは元住吉駅の東口から広がる商店街。
西口側のブレーメン通り商店街とは、もちろん線路を挟んで隣接しています。

 

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地図からは巨大な踏切があるように見えますが、駅機能が立体化したためかかなりこの2つの商店街の間には連続性が確保されています。
もちろん今でも、車両基地への鉄道の出入庫があるため踏切は生きていますが、東西の人の行き来はかなりスムーズになっている印象。

 

 

■基本情報

名称(組合名称):モトスミ・オズ通り商店街(モトスミ・オズ通り商店街振興組合)

加盟店数:約120店舗

 

受賞: 

平成20年度「かながわ子ども・子育て支援奨励賞」(神奈川県)

平成24年度「かながわ商店街大賞」準大賞(商連かながわ) 

平成25年度「がんばる商店街30選」(経済産業省

(その他多数)

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オズ通りを歩くと、すぐに綱島街道という広幅員幹線道路に突き当たるので、

ブレーメン通りと比べて短い印象がありますが、実は綱島街道の対岸にもまだオズ通りは続いています。

それらを含めると、商店街の加盟店数は約120になるよう。

異例中の異例ですが、なんとマックスバリュさんの加盟も。

 

発足の経緯に関する情報はわかりませんので、比較的浅い歴史を。

平成3年よりモール化し、平成8年までにモール化が完成。このあたりの時期で現在のインターロッキング舗装や、歩行者天国化が実現したということでしょう。

平成4年よりシンボルマークを「オズの魔法使い」としているようです。

 

そもそもなぜ「オズ」なのでしょうか…。
少し早くブレーメン通りができているので、それに呼応した動きかなと推察されます。

 

 

■商店街の表情

さて、歩いてみてわかる商店街の情景を紹介してみます。

 

まずは駅の長いエスカレーターを降りてすぐ、このデジタルサイネージ「オズビジョン」が目に飛び込んできます。

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タッチパネル式に商店街の情報等がわかるシステムなようですが、
平成26年6月28日現在でこちらは正常に作動してません。

なんという無用の長物か。
(本来であれば、いろいろ検索できる端末のようです。)

ちなみにこのデジタルサイネージ周辺は、違法駐輪が日常茶飯事になっています。

 

さて、ここですぐ分岐となります。

 

ほぼ一直線のブレーメン通りとは対極的に、オズ“通り”は一本の通りではありません。

数多くの脇道があり、知らない道一本入ったところで知らないお店と出会える楽しみがあります。

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 店の種類としてはやはり飲食店が多く、フレッシュネスバーガードトールコーヒーモスバーガー、日髙屋といった全国チェーンが多めです。

 

その一方で、昭和がそのまま残っているような風情のある個人商店もちらほら。

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(「肉のナカノ」。主人は商店街振興組合の副会長を勤める) 

 

 

飲食店の中でも特筆するのは、居酒屋の充実ではないでしょうか。

ブレーメンから移転してきた、“元住吉の絶対王者”の異名を持つ「オリエンタル」をはじめ、

いつも活気のある関西風居酒屋「串カツ田中」、

今年オープンしたばかりのお洒落バー「harao」など。 

 

とりあえず行ったことのある店を書いたのですが、未開拓で魅力的なお店が多いです。

 

 

■商店街の活動

さて、ここまでは消費者として商店街を見た様子を綴ってみました。

どんな店があるとか、商店街の雰囲気がどうであるとか。

「あの街は大きなスーパーがあるから暮らしやすい」とか、「この商店街はチェーン店が多いからつまんないよなー」といった、表層的な視点。

 

ここからは少し視点を変わって、「商店街振興組合が、周辺生活者にとってどんな場であろうとしているか」という取り組みを綴ってみます。

 

商店街振興組合は、各店舗が加盟し、商店街としてまとまった活動(特売とかお祭りとか)の母体となる団体。

基本的に商店街の振興、つまり商業的利益のために活動する組織と言えます。

商店街の外灯やアーケードといたものは、一般的にこの振興組合が主体となって整備し、国や自治体の補助金をとってくるという形でできています。

 

しかし。近年のナショナルチェーンの爆発的広がり。
それらチェーン店に対して、利便性や経済性において圧倒的劣勢に立つ商店街は、違うアプローチが求められるようになります。

 

それはコミュニケーションであったり、地域コミュニティにおける新たな役割の提示であったり。

 

ここオズ通り商店街では、3・11を受けての「地域の安全・安心」を第一に掲げ、災害情報の集まるスマート商店街を目指しています。

3・11のような大規模な災害時にも、『商店街に行けば何かわかる』というような、地域コミュニティにおける新たなアイデンティティを商店街の新たな存在意義にしようとしているわけです。

これは一般的な全国チェーン店においてはまだ普及していない試みであるゆえに、マーケティング的に有効な取り組みとも言えるでしょう。

 

ちなみに、災害時においてコミュニティレベルの安全性を確保するために活動するのは、
まずは自治会・町会や消防団、自主防災組織といったコミュニティ組織というのが一般的です。
商店街振興組合が地域防災・地域安全の担い手となるのは、きわめて異例

ここオズ通りにおいても、実際は周辺自治会と連携しながらの取り組みのようですが、駅前商店街はその地域住民以上に人間が集まってくる場所であるからこそ、地域安全についても商店街が主体的に取組む必要性が生じてくるということでしょうか。

 

 

具体的な取り組みとしては、

・地域安全情報誌「モトスミ・オズ通り商店街の安全ぶっく」の発行

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2012年3月、2013年3月の2回発行されてます。

掲載内容としては、災害時の避難場所や病院の位置はもちろん、
講習会を受講した「市民救命士のいるお店MAP」や、
3・11当日の各商店の特徴的な対応の紹介「商店の挑戦」などは、
コピペになりがちな地域安全の取り組みの域を出て、商店街の本気が伺えます。

 

こうした冊子作成にあたって、付近の大学の協力を得ながら取組むことで、若い力を取り入れた商店街活性を狙う意図もありそうです。

 

あと、言い忘れましたがおずっちょかわいいです。

 

・防災訓練

商店街主催で防災訓練をやるということが異例です。

平成25年1月20日に、町会と共同で開催。

 

・小学校との「まちなか安全教室」

慶應義塾大学の授業と連携して、オズ通りにおいて被災した際にどう対応するかを児童に学んでもらう試み。

「交差点で信号が消えていたらどうする?」「倒れてくる危険があるものは何?」といった、児童に考えさせる形での教室が開催。

保護者から大好評となり、毎年やってくれという要望があるそうで、いかに大学生の協力者を確保するかというところが課題になっているとのこと。

 

商店街が、従来的な「消費の場所」と異なるアイデンティティを持とうとしている試みが、一定の成功をおさめていることがうかがえます。

 

 

以上みてきたようにオズ通りにおいては、商店街振興という商業活性としての試み以上に、
地域コミュニティにおける地域安全の中心としての役割を発揮することで、広い意味での地域貢献をしようという意図が読み取れます。

もちろんこのことは間接的に商店街の活性にもつながりうるわけで、今後の商店街活性化というテーマにおいて一つの解であるかなと思います。

 

ここも面白い商店街ですよ。