西村浩ディレクション「土木展」@21_21 DESIGN SIGHTに行ってきました
先日、飲み会の中でふと、21_21 DESIGN SIGHTというミュージアムのことを勧められる。
六本木の東京ミッドタウンに併設されたミュージアムのことなのですが、名前とそれが結びついていなかった。トゥワントゥワン?
今日、「かいまみ」関連で六本木で用事があったついでに、寄ってみました。
敷地内のポスターで”土木展”という言葉を見ていたので、なんだか面白そうかなーと。
※ちなみに「かいまみ」についてはこちらを参照
というわけでミッドタウンへ。
2007年開業だからもう10年近く経つわけですが、全くそれを感じさせませんね。
アーチ状の大屋根の存在感がすごい。
というわけで接写してみる。
やっぱり基本はトラス構造で支えてるのですが、それを下で支えている巨大な鉄パイプみたいなのが信じられない。
こんな長スパンの部材は車両載せられないだろうし、現場溶接なのかなー?とか変な頭を巡らせる。
あと、改修とかメンテナンスするときの苦労が偲ばれる。
ミッドタウンの裏手に回ると、21_21 DESIGN SIGHTが現れてきます。
RCの二等辺逆三角形が二つ見える。
建物の裏側、おそらく敷地境界であろう位置に並ぶ針葉樹もいい借景になってる印象です。
ここから中に入っていくわけですが、今回の企画展は基本的に撮影可だったのでこのまま突き進みます。
ここのフロア構成として面白いのは、1階に受付とミュージアムショップがあり、展示スペースはすべて地下1階になっているところ。
なので、1階で入場料支払った後は地下に進むことになります。
はい、ここで気になる。
この光景、妙な既視感を持ちました。
(こちらのサイトより)
東京大学本郷キャンパスにあった福武ホール(安藤忠雄氏設計)とあまりに似ていて、検索して確認したらやっぱりそうでした。
こちらも安藤忠雄氏の設計だったようです。
分厚いRCの壁式構造好きですね。
ここからは展示内容になります。
多分にネタバレになるので、訪問予定のある方はここまでにしたほうが。。。
土木構造物のドローイング。
本企画展のイントロダクションとして、街にいかに”ドボク”が溢れているか、”ドボク”による恩恵を我々が受けているかということを視覚的に語りかけてきます。
ちなみにこれは東京駅で、鉄道・地下通路・橋梁といったもののネットワークが表現されています。
我々が街を歩くときはどうしても上物である建築物に目が行きがちですが、ここでは基本的に建築物がスケルトンになっているのが面白いです。
あくまで”ドボク”を見てくれ、ということでしょうか。
土木オーケストラ。
これが個人的に、本企画展一番の内容でした。
前・左右の壁に土木作業の動画が映し出され、溶接・掘削といった作業の音があたかもオーケストラの一つ一つの楽器のように組み合わされます。
建築も同様なのですが、土木構造物を作り出すためには無数のプロセス(掘削、コンクリート打設、などなど)があり、そのプロセスも極限単位まで分解すれば一人ひとりの作業員の単純な身体的動きとなります。
そんな単位ひとつひとつの夥しい集合こそが土木構造物であり、ひとつひとつの楽器が発する音の集合である”曲”という作品に例えられているのです。
まあ、それは深く考えずとも当たり前なのですが、それを有無を言わさず納得させるような映像の力がすごかった。
土木写真家による写真。
写真に力があります。
本企画展で二番目のインパクトであった、渋谷駅の構造模型です。
小さい頃に図鑑で見たような、アリの巣を彷彿とさせるのは気のせいでしょうか。
埼京線ホーム遠すぎるー
交通誘導員さんが順路を示してくれます。
こういう遊びも好き。
最後は内藤廣、中村英夫という名だたる土木学者の言葉で締められます。
【番外編】ちなみにこんなのもありました。
ダムカレー初めて見た。
土木系・建設系の人はもちろん面白く見られると思いますし、子ども向けのコンテンツもあるので親子連れも楽しめそう。
若干マニアックな印象もあるので、デートコースにはならなそうな気がする。