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no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

東京都の地域危険度と町屋四丁目 - 「町屋銀座まちづくり?第13回」

関連記事はこちらから。

phantom-gon.hatenadiary.com

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先日の荒川区景観まちづくり塾にて、後半のグループワークの班となった荒川・町屋班。再来週にまちあるきを行う予定となっています。

そのコースを考える上で、景観・防災上見ておきたいところはどこか?という話になった時に、地域の方から「東京都で一番危険と判定された町屋四丁目を見て欲しい」というご発言がありました。

グループワークの残り時間もなかったこともあり、実際にその町屋四丁目を中心に歩くようです。

 

東京都で一番危険な地区、町屋四丁目。

 

明らかに内容は全く誇らしいものではないのですが笑、自虐的な文脈だったので場の雰囲気はなごやかでした。

まあ、実際に大勢で現場を歩いてみることで、一体どこが東京都にワースト1と判定されたのかを見てみようということになったのですが。

でも、数値的な指標なので目視でどの程度実感できるのかな。。

 

さて、そもそも東京都で荒川区町屋四丁目がワースト1となったのはなぜなのか。

それがこちら、地域危険度という指標です。

f:id:phantom_gon:20161005011357p:plain

(東京都HPより 地震に関する地域危険度測定調査/東京都都市整備局) 

 

地域危険度は東京都の全町丁目を対象に判定される指標です。

○地域危険度とは
 本調査では、以下の危険性を町丁目ごとに測定しています。第7回調査から、災害時の避難や消火・救援活動のしやすさ(困難さ)を加味するため、「災害時活動困難度」(災害時の活動を支える道路等の基盤状況を評価する指標)を考慮した危険度の測定を始めました。
●建物倒壊危険度 (建物倒壊の危険性)
●火災危険度 (火災の発生による延焼の危険性)
●総合危険度 (建物倒壊や延焼の危険性)
●「災害時活動困難度」を考慮した危険度【新規】
 (災害時の避難や消火・救助等の活動のしやすさ(困難さ)を考慮した危険性)
なお、地域危険度はそれぞれの危険度について、町丁目ごとの危険性の度合いを5つのランクに分けて、以下ように相対的に評価しています。

 (同上より)

f:id:phantom_gon:20161005091204j:image

 

数値の算出方法は詳しく見ていないので断言はできませんが、言葉や上の説明から推察すると、以下のようなイメージで概ねズレていないのでは。

・建物倒壊危険度=地区内の建物のうち、老朽建築物の割合(築年数、構造などから判定)

・火災危険度=燃えやすい建物(弱い順に、裸木造<防火造<準耐火<耐火)の密集具合、および地区内の空地(公園や幅員が一定以上の道路)割合

 

同サイトに評価のフロー図がありましたのでこちらも。

f:id:phantom_gon:20161005091854p:image

 

こうした膨大な地区を評価した結果がこちらになります。

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やはり、荒川区町屋四丁目が堂々の一位。

二位以降を見ても、足立区千住柳町墨田区京島三丁目など、イースト東京の名だたる密集市街地のオンパレードです。

 

災害のハザードマップもそうですが、かつてはこうしたマイナス指標は地元の不動産価値に悪影響を与えるのを敬遠して、公開には後ろ向きであったと聞きます。

しかし人命を優先しなければいけないということで、ここまでご丁寧な調査結果・公表がされた経緯でしょうかね。

 

この指標は地元にとっては迷惑なものだとお察ししますが、行政的には特定地区における都市整備(密集事業など)を行う上で重要なものであるということも事実です。

全体の奉仕者である行政は、なぜその地区に集中的に投資するのかということを説明できなければならないからですね。

 

さらに、対象地区をある種煽り、住民の方々が独自に危険度(広義な)の解消に動き出すためのきっかけを、与える意図もあるのではないでしょうかね。。いや、ないか。

地域危険度はハード要素のみから算定される指標ですが、それなら住民の方々は防災性向上のために手も足も出ない、ということではなく、自虐からのカウンター的なまちづくり(活動とか)に着手されると、面白いまちができてくるのではないかなーと、ヨソモノとしては楽観してしまいます。

例えば災害危険性をバネに、「これまで地域で見えてこなかった若年世代を、もっと地縁コミュニティに取り込もう」という動きがある街は、転居先を考える際にSUUMOやHOME's以上の判断要因になるのではないでしょうか。

 

ちなみに、防災性というテーマには限りませんが、地域活動への参加を条件に、若者が安価に入居することが可能な事例がいくつかあります。

街ing本郷(東京都文京区)のひとつ屋根の下プロジェクトや、大きなもので言えば淡路町ワテラス(東京都千代田区)の学生マンションなどは、よいヒントになるのではないでしょうか。

ひとつ屋根の下プロジェクトとは | NPO法人 街ing本郷

スチューデントハウス|ワテラス - WATERRAS

 

災害危険性をバネに、面白い街ができていくとよいなと思いつつ、引き続き自分にできることを考えていかねば。

 

今日はこのあたりで。