no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

荒川二丁目複合施設「ゆいの森あらかわ」が静かすぎる件について。

当ブログの中でも、最近PV数がじわじわと伸びてきている記事がこちら。

phantom-gon.hatenadiary.com

とうとう今年3月の開館まで間近となった、複合施設「ゆいの森のあらかわ」を紹介した記事です。

もちろん中立的な紹介ではなく、かなり穿った視点のものですが。

ゆいの森あらかわの開館予定日が決定しました 荒川区公式ホームページ

 

目次

 

あまりに静かすぎる「ゆいの森あらかわ」

 

さて、この「ゆいの森あらかわ」。

荒川区におけるかなりの目玉事業と言えるのにも関わらず、情報発信が静かすぎる気がしています。

非常勤保育士の募集や、カフェ事業者の発表といった事務的な広報はもちろん行われているのですが、盛り上がるような発表やイベントの告知などがないのです。

例えば、最新のニュースはこちら。

ゆいの森あらかわにおける自動販売機の設置事業者が決定しました 荒川区

ま、まあ、それも大事なのですけどねぇ。。。

 

豊島区新庁舎の事例

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豊島区HPより)

公共施設の開館に向けたPRの様子としては、平成27年5月にオープンした豊島区新庁舎などが堅実でうまい例かなと思います。

豊島区新庁舎|豊島区公式ホームページ

竣工から開館までの間に何回もの見学会を開いていたり、新庁舎に関する一般向けのレポートを発行していたり。

並行して、移転後のまちの賑わいを視野に入れたと思われるオープンカフェ社会実験を繰り返したりしています。

池袋駅東口グリーン大通りでオープンカフェ|豊島区公式ホームページ

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豊島区HPより)

 

豊橋市まちなか図書館(未了) の事例

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 (豊橋市HPより)

 

また、整備前ではありますが、豊橋市でこれから作られようとしているまちなか図書館に向けた動きも示唆に富みます。

 

例えば、まちなか図書館を考えるための地元NPOとの協同ワークショップ的イベントを行ったり、

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豊橋市HPより)

 

機運と期待を上げるためのシンポジウムを開いていたりします。

錚々たるメンツですよ。。

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豊橋市HPより ※動画です)

 

こちらのまちなか図書館整備推進室が、荒川区で言うところの複合施設準備室ですね。

www.city.toyohashi.lg.jp

これら事例と比べられるのも荒川区にとっては不本意でしょうが、やはり何か物足りない気がしてしまいませんか。

ひっそり、と表現するにはややインパクトの大きすぎるサイズのハコモノができていく。。

 

区政的には問題ないのでしょう。

わざわざ波風立てなくとも、事業計画通りのスケジュール通りで開館できればそれで成功、少なくとも業務執行とは言えるのです。

むしろ下手に大きな主張や挑戦をしないほうが、達成できなかった時の責任追及というリスクもなくて済むため、安全だとさえ言えます。

 

しかし、区民側はそうではないのでは。

投資額の大きな事業でありかつ、これまで庁舎しかなかった荒川区中央エリアに、とても存在感あるハコが作られるのだから、そこに期待しないわけにはいかないのではないでしょうか。

 

なぜそう思うか。

少なくとも私がご一緒している、荒川区景観まちづくり塾の受講生の方々はそうでした。

   

「ゆいの森あらかわ」について現時点でわかること

 

既に区から発表されている情報をまとめることにより、「ゆいの森あらかわ」についてもう少し深めてみたいと思います。

 

というわけで、区HPでわかる内容から、荒川二丁目複合施設に関するここまでの年表を作成してみました。

「ゆいの森あらかわ」「荒川二丁目複合施設」をキーワードに検索した結果を、時系列順に書き出したものです。

これでなんとなくの、当複合施設建設にかかる行政的な動きがつかめるのではないかと思います。

 

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無機質な情報羅列。

まずは何より、「ゆいの森あらかわ」の整備に向けた動きは10年前である2007年から始まっていることに驚かされます。

 

複合施設の設置及び運営に関する懇談会

ノンフィクション作家である柳田邦男氏を座長に、議員や商工会議所関係者などを集めた懇談会が設置され、2010年3月に報告書が提出されました。

※行政の意思決定によく使われる方法なのですが、報告書を作成したのは懇談会名義であることに演出上なっていますが、もちろん、まさか柳田邦男氏ら懇談会側の発意で計画書が作成されたわけではありません。

 

子ども施設って何が入るの?

「ゆいの森あらかわ」に入居する三施設の一つですが、こちらだけは全貌を掴むことができていません。

公開情報などから判断するに、

  • 丹青社による体験学習プログラム
  • 乳幼児一時預かりサービス
  • 「子どもの学び」「子育て支援」「交流・集い」「人材育成(ボランティアとプレイリーダー?)」の4本柱

といったあたり。

保育施設でない公共施設にここまでの機能があるのは、手厚い感じがしますね。

 

チェーンなお店が入ります

1階の幹線道路に面した部分にカフェスペースができるわけですが、カフェ事業者に決定したのがカフェドクリエであることも注目でしょうかね。

公共施設内のカフェということで、通常業態との違いが気になる。

評価項目の"施設との連携"とは。。?

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 (荒川区HPより)

 

そして、求人出てますよ。

hitomgr.jp

 

 ロゴマーク

なんだか可愛い。

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荒川区HPより)

  

都市計画道路補助第90号線

 

「ゆいの森あらかわ」のすぐ東で進められている都市計画道路事業について。

東京都が進める木密地域不燃化10年プロジェクトにおける特定整備路線として、平成32年までの整備が目指されています。

要は、防災性の向上を掲げた都市計画道路事業の加速化です。

www.metro.tokyo.jp

kenplatz.nikkeibp.co.jp

 

外部向けに話された「ゆいの森」

どうやら、過去には「ゆいの森」のことを区長が外部向けに話すという場もあったようで、こんなものが検索でひっかかりました。

 

www.libraryfair.jp

 

私の最近の好物である、地域ポータル「荒川102」でもやはり記事が組まれていましたね。

arakawa102.publishers.fm

 

 

開館に向けて秒読みのこの段階で、わかる範囲の情報をまとめてみました。

区民や周辺にお住いの方々はパンフレットとか配布されてるのかな。

 

これから開館まで2月弱、何か刺激的な発表のあることを期待しつつ。