お祭りの"担い手不足"に抗うことはできるか?墨田区高木神社例大祭に向けた参加オリエンテーションを開催した話。
お祭りの季節ですね。
街には交通規制の予告も。
今年の天王祭は三年に一度の本祭にあたるので、いろいろと例年と様子が違うようです。
そんな中、今回は荒川区のお隣、墨田区にある高木神社例大祭のお話です。
これまでこの神社は、主に一般社団法人マツリズムのくだりでたびたびご紹介させていただきました。
今回は、その高木神社例大祭が迎えた、とある危機に関するお話です。
祭の担い手不足
東京にも地域ごとに、お祭りがあります。
地域によって方法の違いはありますが、多くの場所で御神輿や山車などが出されます。
東京に限らず全国的に存在する、お祭りの光景。
しかし、お祭り・祭礼というものは、当たり前のものでは決してありません。
お祭りの執行を担う"担い手"がいるからこそ存続しうるものです。
言い換えれば、この担い手がいなくなってしまえば、それはすなわちお祭り存続の危機ということを意味するわけです。
身近な複数の事例をもとにした実感ベースではありますが、自治会・町内会と同様に、この担い手の人数は右肩下がりの傾向にあるようです。
背景には少子高齢化ということも当然あるのでしょうが、どうやらそれだけではなく、"地域に確実に若者はいるのに、お祭りに出てきてくれない"という、どこかで見たような構図があるのではないかと感じます。
今回の、高木神社例大祭の執行を担う氏子組織の1つである「四丁目睦(よんちょうめむつみ、通称よんむつ)」も、少し特別な事情はありますが、そんな課題に直面しています。
高木神社建立550周年記念事業と氏子の負担
よんむつが課題に直面した背景には、前述のような一般的な傾向のほか、もう一つの理由があります。
それは、高木神社の御鎮座五百五十年に伴う氏子の負担増。
詳しい事情は省きますが、このことによって、これまで頑張って来られた苦労が、良くない形でどっと出てしまったのです。
結果として、お祭りの直接的な運営を担うことのできる睦員はたった7名と、五年前の4分の1になってしまいました。
さて、祭をどうするか。
当然、今年のお祭り自体の存続が危惧されるような事態です。
無理をしてお祭りを続けるか、これを機にお祭りを縮小したり、いっそやめてしまうか。
お祭りは素晴らしいものですが、なくては地域が成り立たないか?と言われれば、決してそういうものでもありません。
新しく作られたニュータウンのような街では、神社祭礼がそもそも存在しない地域や、盆踊りがあるのみ、という地域も珍しくないのです。
では、これまで当たり前のようにあったお祭りをやめてしまってよいのか。
これまで連綿と続き守られてきたものを、断ち切るのか。
ここで強調するべきは、地域の人がどんな決定をしようと、余所者が無責任なことを主張することは控えねばなりません。
「もったいない」という言葉さえ無情なものです。
さて、一般社団法人マツリズムは、この四丁目睦と高木神社に、四年前から余所者として関わってきました。
基本的には、都会の若者とここのお祭りを繋げるという、イベント的な関わり方として。
マツリズムは、よんむつの方々と話し合いました。
もちろん、押し付けがましい方法にならないよう留意してですが。
マツリズムのスタンスはこんな感じです。
"基本的には地元の方の決断を支持します。
でも、もしもまだお祭りを存続させたいという場合は、担い手探しに全力で協力をしたいと思ってます。"
よんむつの方々は、まずは今年の祭りを盛り上げるよう頑張ったのち、来年以降については改めて考えるということを選択されました。
参加オリエンテーションによる"掘り起こし"
参加オリエンテーションの発想
まずは今年のお祭りを盛り上げるため、参加人数を増やしたいところです。
これまでもマツリズムは、地域外から若者をお祭りに紹介するという形で、盛り上げの協力をしてきました。
しかし、今回はそれだけでは不十分だと考えました。
そのためには、地域内からのお祭りへの参加門戸を広げることが最優先だと考えました。
それが、地元での参加オリエンテーションというものに結びついていくのです。
地域に住んでいても、お祭りに参加する方法は極めてわかりにくいものです。
お祭りに限らず、街の情報が掴みにくい。
町内会や自治会がそもそも情報発信をしていなかったり、回覧板は非加入者に届かなかったり、掲示板をそもそも見なかったり。
近年は、街の情報SNSである「ご近所SNS マチマチ | スマホでご近所掲示板」なんてサービスも出てきましたが、まだまだ下火な印象です。
そこで、むしろ街のほうから働きかけるための試みとして、参加オリエンテーションという説明会の開催にいきついたのです。
ポスティング作戦
我々には、明確なねらいがありました。
それは、地域に林立するタワーマンションを、お祭りに結びつけること。
(GooglaMapを下絵に、著者描画)
この図のように、四丁目睦のエリア内にはタワーマンションがいくつも存在します。
スカイツリーの建設に伴うエリア価値の向上が、押上までひと駅であるこの街の開発圧力を高めたのです。
それぞれの戸数を見てみましょう。
(不動産サイト等による概算集計)
1000世帯近くの、まだお祭りとつながっていない(と思われる)方々がいるのです。
ここにアプローチしない手はない。
ちなみに、余所者の我々も、あながち部外者というわけではなく、四年前から高木神社祭礼に関わっているマツリズム代表のほか、
曳舟駅前で定期的な青空市“ヤッチャバ”を主催する方などもチームです。
こんなチラシを作り、集合住宅を中心として、街にポスティングをしました。
ひたすら、ひたすら。
1000枚印刷した、ほんの一枚に対してでも反応があれば、成功だと信じて。
オリエンテーション当日
オリエンテーション当日。
このために借りた地区内の公民館は、大繁盛とはいきませんでしたが、確かな手応えを感じる様子でした。
(四丁目睦によるお祭りの説明)
(独特の"獅子頭"のイメージ演技)
さて、お祭りは今週末の6/2、6/3です。
私は、自分の氏神様のお祭りである天王祭へ参加します。
ですが、高木神社の例大祭も、(おこがましいですが)活性化の兆しが見えてきました。
どうやらオリエンテーションをきっかけに、地域からの新たなお祭り参加が増えてきているらしいのです。
具体的には、貸し半纏30枚くらいを確保する必要があるのだとか。
この先の展開はまだまだ読めませんが、地域に働きかける方法は、工夫次第でまだまだあることを再認識させてくれます。
みなさんの地域のお祭りは、どんなものでしょうか。
新しいイベントが、街を変える。熊野前ヨガフェス2018の当日スタッフとしてがっつり関わってみた話。
日に日にどんどん暖かくなってきますね。
暖かくなると、外での催しも増えていきます。
(余談)まずは「Ikebukuro Living Loop」
この週末、池袋では「Ikebukuro Living Loop」が行われていたようです。
舞台は、池袋東口にあるグリーン大通り。
同じ池袋でも、駅とサンシャインを結ぶ北側である繁華街エリアとは少し様子が異なり、どちらかと言えば純粋なオフィスエリアです。
メインストリートであるグリーン大通りの沿道に立地するのは、証券会社や銀行、信用金庫。これまでこのエリアは、土日の賑わいとはやや無縁でした。
そこに、豊島区新庁舎の移転新築と、南池袋公園のリニューアルオープン。
付近にはタワーマンションも林立し、まちは変わりはじめます。
新しい南池袋公園は、土日も賑わう拠点となります。
そこにさらなる賑わいをもたらそうと行われたイベントが、この「Ikebukuro Living Loop」というわけです。
昨年の11月に開催された第1回に続いて、二度目の開催でした。
このイベントを主催するのは、豊島区の実施したプロポーザル「グリーン大通りにおける賑わい創出プロジェクト」で特定された、株式会社nest。
このnestという組織は、リノベーション界隈の第一人者である青木純さん、openAの馬場正尊さんらが率いています。
金曜から日曜までの3日間開催されていたということで、どんな様子だったんですかね。(行ってない
さて、私の週末はと言えば、当然これですよ。
荒川区熊野前で行われた「熊の前ヨガフェス2018」
kumanomae-yogafes.amebaownd.com
近所の商店街で、こちらも2回目の試みとして開催された「熊野前ヨガフェス」。
どうせ行くなら、スタッフとしてとことん楽しみ尽くしてしまえ!!
ということで今回は、当日のお手伝いはもちろん、前日準備や、当日1週間前のチラシポスティングまで手を出してしまいました。
今回は、そんなスタッフ側の目で見た、「熊野前ヨガフェス」について記録してみたいと思います。
結論を先に言うならば、商店街を温めて笑顔をつくる、素晴らしいイベントでした。
準備はなかなか体育会系
準備は前夜から始まります。
19時から商店街事務所前にスタッフが集まり、本部として使ったり、出店するお店に貸し出す長机やイス、テントを運び出します。
久々にテントたてましたよ。
(熊の前はっぴい公園の前。はっぴい公園。。。)
出店スペースを示す目張りもしますよ。
(一店舗につき数秒で目張りしていく精鋭部隊)
21時頃まで作業して、解散となりました。
翌日、つまりヨガフェス当日は朝7時からの入りとなります。
少し解説を。
商店街のお店の多くは個人営業なので、日曜日は休業するというところが一般的です。(もちろん日曜営業の個人店もありますよ)
そういう意味でのシャッターの前を、イベント日限りの臨時出店スペースにしたわけですね。
出店してくれたのは、熊野前商店街のいつものお店ももちろんあれば、その他エリアから、中には区外からやって来てくれたお店もあります。
ここでの出会いが、ヨガフェス終了以後の関係につながればステキですよね。
そうそう、ヨガフェスと言ってもヨガだけがメインなのではなく、ヨガと臨時出店の露店、さらにフリーマーケットが主なコンテンツとなります。
持ち場は風船ブース
さて、ヨガフェス当日ですよ。
私の持ち場はアクト21という区施設前の広場で、子供たちに風船を配ることと、それと並行して、隣接するスペースで開催されていたショートヨガレッスンのお手伝いでした。
10年近くぶりに風船なんて触りましたが、子どもに大人気ですね。
ベビーカーの小さな子から、小学校中学年くらいの子たちまでにせがまれて、長蛇の列ができてました。
400個用意していた風船も、人気の色(「ピンク」「青」がよく売れた)からどんどん無くなっていき、お昼すぎにはほとんど0になってしまいました。
「風船くださーい」
『ごめんね、もう終わっちゃって。。。』
というやり取りはわりときつかった。笑
ヘリウムガスボンベから、ほぼ自動的に作った風船たち。
客寄せのためにテントにいっぱいくくりつけてたら、あとで悲劇を生むことに。。
ショートヨガの合間に、荒川区在住の芸人「クロマンボウ」によるお笑いライブも。
ぜひこの機会にフォローしてみては。
見よ、この幸せな光景
持ち場を離れて、ヨガフェス全体の様子もしばしば見ることができました。
普段から万国旗のあるステキな商店街ですが、そこに露店や、賑わう人々のワクワク感が増すと、更に幸せな光景が作られます。
きわめつけは、この気持ちの良い天気。
そりゃ二足歩行のトラも闊歩しますよね。
17時までで露店も道路占用も終了し、慌しい撤収作業が行われます。
準備よりも短い時間に、怒涛の作業。
でも、1日間の企画をともに運営する中で、スタッフさん同士のチームワークがなんとなく形成されていたので、準備よりもスムースに作業が進んだような印象でした。
ちなみに、ボランティアスタッフは、完全なる無償というわけではなく、その日の露店で使えるチケットが配布されました。
この配慮も嬉しい。
その後、スタッフさんが集まってこひきやさんで打ち上げ。
とても楽しいひとときで、私などでも、ボランティアスタッフやれてよかったなあと痛感させてくれる場でした。
若いチカラが、まちを変える。
こうした商店街イベントについて、どう思われるでしょうか。
どんな意味があったと思われるでしょうか。
手放しに「ステキなイベントだ」と思ってくれる方もいるのだと思いますが、周辺にお住いの方は、もしかしたら「騒がしいな。。静かにしてくれ」と感じたのかもしれません。
一つのイベントに対して解釈がいろいろあるのは当たり前で、それをとやかく言うことはありません。
イベントの裏にはこれだけ大変な努力があるのだと、裏方の苦労をドヤ顔で必要以上に主張することもありません。(疲れはあったけど
私が思うのは、そういうことではなく。
こんなイベントの繰り返しが、街を変えていくのだなあということです。
このイベントはどんな意味があったのか。
今回のヨガフェス単体を見ると、露店での飲食物や物販によるお金のやり取りが、直接的な利益としてあったのかもしれませんが、おそらくそれは"まちを変える"ほどのものではないでしょう。
イベント単体では赤字だったという営業者も珍しくないのかもしれません。
こんなことはあったかもしれません。
イベントを通じた偶然の出会い、例えば、こんなステキなお店があることを知った、こんな美味しい店があるんだ、といった出会いが、ヨガフェス終了後にも”この前のイベントで知ったあの店に行ってみよう”ということにもなるかもしれません。
それは素晴らしいこと。
でも、それだけでもありません。
今回のヨガフェス開催を通じて、たくさんの人が関わりました。
中心的に汗をかかれたChacraさんやこひきやさんの苦労は計り知れませんが、理念や企画意図に賛同した方々が集い、出店してくれたり、当日スタッフをしたり。
この、通常であればなかったはずの試みによって作られたチームワークや、営業者に限らない人のつながり。
商店街のイベントというテーマのもとに、ふだん商店街とは関係のない方々が、この熊の前に集い、汗をかいたということに意義があると思うのです。
これが、町内会のようなものであれば、そこにはある種閉鎖的なコミュニティが形成されているため、まちに関わりを求める人が簡単に入門できるシステムにはなっていないでしょう。(傾向として
これは私の個人的関心でもあるのですが、まちにつながりを求めても、町内会ではなかなか叶わない。
でも、ここ熊野前商店街では、それが可能になったということ。
全ての商店街でそれができるわけではない。これは偉大なことです。
もちろん、商店街の幹部の方々の協力があってこそ、若い方の活躍ができたということも忘れてはなりません。
そんなことが素晴らしいのだと、感じました。
これが繰り返されていくと、まちを変えるチカラになっていくと本気で思います。
どうやったら御神輿担げるの? 素盞雄神社天王祭の担ぎ手募集チラシを集めてみた(主に町屋地区)
今年も近づいてきましたよ、お祭りの季節が。
商店街のフラッグも天王祭仕様になっています。
近所の原稲荷神社の境内には、何やら構造物が組まれ始めていました。
荒川区南千住にある素盞雄神社は、荒川区の半分近くのエリアの氏神様です。
その例大祭が「天王祭」で、6月の第一土日は、氏子61町会がお祭り一色となります。
しかも今年は3年に1度の本祭。
本社神輿が出たり、白馬が出たりと、いつもと違うようです。
昨年の6月、荒川区へ転入前だったワタシが、町屋二丁目仲町会として御神輿を担がせてもらいました。
さて今回は、自分と同じような「地元の御神輿担いでみたいんだけど、どうしたらいいの?」と思っている方に向けて、お祭りに参加する方法をまとめてみました。
要は、各町会の掲示板に張り出されているポスター等を並べてみたのです。
町会さんによっては”担ぎ手募集”を大きく謳っているポスターを掲示していたりします。
悲しいかな、窓口として案内されている連絡先のほとんどは電話番号のみなので、地域に何のつながりも持っていない方にとってはハードルが高いかもしれません。
でも、そのハードルを超えてお祭りに参加した先に、何にも代えがたい貴重な体験が待っていることには間違いありません。
町屋地区の各町内会の掲示板をまとめてみた
というわけで、【5月5日現在】の掲示板状況です。
たくさんの町会があり、しかもその圏域はわかりにくいものです。
荒川区の防災地図には、各町会のエリア分けが図示されているので、こちらをあわせてご覧いただくとわかりやすいかもしれません。
荒川区防災地図(AED設置一覧を含む) 荒川区公式ホームページ
町屋一丁目東町会
町屋斎場の北側一帯です。
募集してますが、5月10日で貸半纏の受付を締め切っているようですね。。。
町屋一・二丁目仲町会
町屋一丁目の西側、町屋二丁目の東側です。
担ぎ手募集してるみたいです。
町屋一丁目南町会
町屋一丁目の東側、川沿いから、一本松あたりまで。
担ぎ手募集のお知らせはないですね。。。
町屋東栄町会
町屋二丁目の中央あたりにある、南北に細長いエリアです。
募集してないですね。。。
町屋二丁目仲町会
町屋二丁目の西側です。
募集してるようです。というか、ワタシもこちらから参加します。
ポスターにこだわりを感じますね。
半纏の色はポスターと同じ、紫でカッコ良いです。
町屋実揚町会
みあがり、と読みます。
町屋四丁目の南西エリアです。
担ぎ手募集を明確には謳っていませんが、
6月1日の半纏貸し出しに行けば何か望みがあるかもしれませんね。
町屋睦町会
町屋三丁目の北東エリアです。
まだ募集はしてないですね。。。
町屋三丁目仲会
町屋三丁目の北側です。
うーん。。。
町屋江川町会
町屋四丁目の北側です。
ありませんね。。
町屋六丁目南町会
ありませんね。。。
町屋東町会
荒木田周辺のエリアです。
本社神輿の担ぎ手募集ですが、5月10日で締め切ってますね。。
町屋八丁目東文化会
掲示板見つけられず。。
町屋八丁目中央会
町屋八丁目の西側です。
大々的に募集してるみたいですね。
本社神輿は5月2日までか。。。
ご参考になれば。
荒川区商店街連合会青年部の方々とお近づきになった話。
引き続き、商店街関係の話です。
前回はこちらで、はっぴいもーる熊野前商店街で来月開催されるイベント「熊野前ヨガフェス」について紹介しました。
さて今回は、やや唐突ではございますが、荒川区の商店街全体についてのお話です。
みなさんにとって、商店街とはどのような存在なんでしょうかね?
二世研修会に行ってきた
なぜ今回このテーマを取り上げるかと言えば。
最近たまたま、商店街の方々と交流する機会があったのです。
それが、二世研修会というもの。なんだそれは。
このような会合が、4月18日(水)に荒川区役所にて、きわめてクローズドな形で開催されていたのです。
要は商店街の担い手の皆様が企画・運営を行う勉強会ですね。
ざっくりと乱暴に表現するならば、"どうすれば商店街が活性するのか"を考えるわけです。
この会合を運営しているのが、荒川区商店街連合会の青年部の皆様というわけです。
荒川区商店街連合会・青年部
荒川区HPによると、荒川区内には現在、41の商店街があります。
商店街が"ある"とは、どういうことか。
一般語としての商店街は、以下のような意味を持ちます。
商店の並んでいる町の一画や通り。
(三省堂 大辞林より)
つまり商店が一定規模以上集積した通り(アベニュー)のことなのですが、荒川区が言及している数は、そのすべてをカウントした結果ではありません。
例えば私の住まいの近所にはかつて、「町屋銀座商隆会」という商店街が"あり"ました。
過去形なのです。
かつてあった商店街とは、今はもう組織として消えてしまった商店街を指すのです。
よって、荒川区が公式に言及している41の商店街とは、今もなお商店街振興組合などが残っている商店街をカウントした結果ということになります。
そして区内の商店街の連絡組織が、「荒川区商店街連合会」ということになります。
なんと戦後すぐの1951年から活動されているらしい。すごい。
商店街連合会は、会長・副会長といった重鎮世代よりも若い世代の集まりとして、「青年部」を抱えています。
このあたりは、同じ地縁コミュニティ組織である町内会と似ている感じですね。
現在青年部長をお勤めの田中さんは、なんと平成14年からずっと部長職です。
区商連HPを見るとわかりますが、歴代最長です。
担い手の皆さまは街との関わりを求めている
この日の内容は(覚えてないので)あまり詳細には記しませんが、
「商店街の方々は街とつながりたがっている」ことを感じました。
商店街の衰退・シャッター街化など、荒川区でも間違いなく同様の課題に直面しています。
そんな中、商店街がいかに生き残っていくか、個店(個人店舗)の魅力をいかにアピールしてお客様に選んでもらえる存在になるかということは、あまりに重大なテーマ。
私も、知識としては知っていましたが、それはあくまで机上のもの。
この場で、本当に毎日営業をされている担い手の皆様も同様のことを話されていて、ようやく知識がリアルなものとして血肉になった間隔です。
そしてそのためには、商店主だけが知恵を絞って頑張るだけではままならないことを痛感されていました。
4月18日の会合では、消費者代表として、荒川区コミュニティカレッジの卒業生である地域活動の重鎮2名を含めたパネルディスカッション形式であり、さらに聴講者である我々にも積極的に意見を求められ、商店主の方々はそれを熱心に聞いておられました。
私は”コミュニティの舞台としての商店街への期待”といった偉そうなことを申し上げたのですが、うんうんと頷いておられたのが印象的でした。
その後は近くのイタリアンレストラン(区役所前サイゼリヤ)に場所を映し、意見交換。
青年部の皆様とすっかり打ち解けることができたので、これから商店街方面でも何か始まりそうな印象を持っています。
、、、と、まあ中身のない記事ですが、これまで指をくわえて見ていた”商店街”という存在と、ようやく接点を持つことができたことの記念として。
熊の前のヨガフェスをきっかけに商店街に関わってみませんか。
5月20日(日)に、荒川区東尾久・熊野前でヨガフェスが開催されます。
ヨガフェス。なんだかおしゃれでロハスな響き。
「いや、当方、ヨガの趣味はないのでちょっと興味ないかな。。」
と思ってる方、ズバリ早計です。
これは、単に青空の下でヨガをしようというイベントなのではなく、
ヨガの集客力を武器に、商店街に賑わいをもたらそうという壮大な試みなのです。
どんな企画なのか
公式サイトが作られてます。
kumanomae-yogafes.amebaownd.com
企画概要を引用。
商店街で行うヨガを中心としたストリートイベントです。
子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、みんなが集まる商店街で、楽しく伸びやかにヨガを楽しみませんか?
ストリートヨガタイム以外の時間では、下町の有名店や、ハンドメイドなどの出店、フリーマーケットを楽しんでいただけます!
------開催概要------
日時 | 2018年5月20日(日曜日)
時間|10:00~17:00
場所|熊野前商店街
(はっぴーもーる熊の前)
※雨天時は尾久小学校で開催
内容|無料ストリートヨガ
ヨガレッスン
フード、雑貨、ハンドメイド
など出店多数
キッズによるパフォーマンス
・・・・・など盛りだくさん!
主催|熊野前商店街振興組合共催|熊の前ヨガフェス実行委員会
後援|荒川区
イメージとしては、ヨガをメインにした、商店街大売り出しや、文化祭のようなものでしょうか。
テントが並び、景気の良い声が飛び交う様子が想像されます。
きっと、もともと身近な商店街が、より身近に感じられるはず。
現在決まっている出店リストを拝見すると、これがなかなか面白い。
「クラシノmarket」は、町屋8丁目の花屋さん「花やMOMO」を営む大竹さんが東尾久6丁目のフリースペース「MOMOの小屋」で定期開催されているマルシェ。大竹さんは、「下町花フェス」というイベントを数年にわたって開催されている町屋の巨人。
「山内商店」は、西尾久8丁目の蒟蒻・白滝・寒天屋さんですね。
こんなふうに、熊野前商店街に限らない出店が見られるのが一つの特徴のように思います。
また、個人的に素晴らしいと感じているのは、"ヨガフェス"を商店街の名前で主催するということ。
商店街振興組合的な組織は、町内会・自治会と同様に担い手の高齢化がイメージされますが、ここでは明らかに若い世代が積極的に頑張っておられる様子が想像されます。
そして荒川区の後援名義も獲得されている。。。簡単なようでこれが難しいのです。
ちなみにこのイベント、なんと昨年10月に続いての第2回ということです。
半年間隔でこうした大きな取り組みをすることができる体力や人脈は、きっと熊野前エリアに変化をもたらす力になる気がするのです。
前回開催の様子
その、昨年10月の第1回の様子を知るために、複数の媒体でレポート記事を読むことができます。
荒川102さんと、TABATIMEさん、そして戸田江美さんが書いてますね。
todatodaviewheights-news.tumblr.com
ボランティアという関わり方もありますよ
当日が賑わうことも大事なのですが、それによって商店街が潤うことと同時に、"まちに関わりたい"人を発掘することも意義深いのではないかと思います。
つまり、ボランティアに参加してみませんか?ということです。
先ほど紹介した公式サイトには、既にボランティア募集のページができています。
イベントを通じて、商店街の方々と顔の見える関係を作りたい方は、思い切って応募してみてはどうでしょう。私はしました。
kumanomae-yogafes.amebaownd.com
がっつり手伝いからつまみ食いまで、各人の都合に配慮したフレキシブルなボランティア参加が提示されています。
事前説明会もされるようで、とても手厚い感じがする。
とにかく、5月20日ははっぴいもーる熊野前商店街へ。
【今更感】talk ARAKAWA実行委員による「talk ARAKAWA vol.1」非公式レポート(1/2)
注)2017年11月25日の「talk ARAKAWA vol.1」が終わった直後くらいから描き始めていたのですが、風呂敷を広げすぎたり筆者自身の心身の不調を迎えたりと、今更すぎる更新になっています。。。
-----------------------------ココカラ-----------------------------
終わった。
第1回が終わったのだ。
これが、「talk ARAKAWA」だ!
これがやりたかった
私はきっと10年間、これがやりたかったのです。
「まだ、ここにない、出会い。」を、知らない街で作りたかった。
そこに笑顔の関係を作ることができれば、絶対に面白い連鎖が始まると。
さて、開催から報告があまりに遅くなりましたが、「talk ARAKAWA vol.1」が終了しました。
「talk ARAKAWA」とは、荒川区のオモシロイひと・モノ・コトを一箇所に集めて互いにつなげる場を設けることで、さらなる”オモシロイ”の連鎖を生み、オモシロイまちとしての荒川区の魅力や存在感を向上させる試み。
構想6ヶ月の試みが、ようやく11月25日に、日の目を見たわけです。
その6ヶ月は、ワクワクだけなんかでは決してなく、特にイベント情報をリリースしてからの1ヶ月は生きた心地がしなかった。
「失敗」「閑古鳥」「大赤字」なんていう言葉が毎日頭を飛び交っていた。
Facebookイベントページの参加者状況なんて、1日に4回はチェックしてました。
それでなんとなくの参加者数規模を把握していても、にも関わらず当日「本当に来てくれるの〜〜?」「サクラなんじゃないの〜〜?」というどうしようもない不安は拭えず。(ごめんなさい
だからとにかく告知した
たくさんの人に告知したとしても、それで本当に来てくれる人なんてせいぜいその0.数‰程度。
ということは、人を集めたいならば、手を広げるしかないわけです。
届いた中の何千分の一しか来てくれないのだから、情報を届ける人を増やすしかない。
というわけで告知や広報は力を抜けないということで、とにかくSNSなりチラシなりで情報を拡散しました。
情報発信・拡散を通じて、「あれ、荒川区で何か面白いこと始まるんじゃね?」というムーブメントみたいなものを作りたかったのです。
しかもそれは、オシャレなムーブメントとして演出したかった。
おこがましいですが。
だから見せ方にはこだわった。
それがこのロゴとチラシなのです。
ロゴデザインの戸田江美さん、チラシデザインのROOM810さん(後述)、本当にありがとうございました。
紙媒体のほか、ウェブメディアの力も借りました。
例えば、田端で活動する地域メディア「TABATIME」さん。
「TABATIME」さんにはレポート記事も書いていただきました。
文京区で活動する地域メディア、「jibun」さんにも。
イベント当日は荒川ケーブルテレビまで取材に来てくれたりして、とにかく震えました。
イベントの模様は、12月に「あらまるNEXT」で紹介してくださいました。
町屋の巨人「ROOM810」
この企画は、もちろん多くの偶然と努力によって初めて実現したわけですが、その最初動期にあったのは株式会社ROOM810さんとの出会いであったことは言うまでもありません。
この出会いによって、荒川区への思いだけある、気持ちの悪い横浜市民は、大きな力に近づくことになるのです。
(つづく)
「千住ではじめる」プロジェクトを覗き見してきた話。
なんと2018年2本目の記事です。
言い訳をすると、生存のための活動にかまけてました(汗
さて久々の今回は、荒川区のお隣である足立区のオモロイ動きをのぞいてきた話です。
3月10日に開催された、「千住ではじめる#3 アイデアプレゼン大会」にお邪魔してきたのです。
なお、本編には関係ないのでサラリと扱いますが、場所はここ、東京未来大学でした。
なんとここ、言わずと知れた3年B組金八先生で何度も「足立区立桜中学校」としてロケに使われた場所なのです。
2000年代前半までは足立区立第二中学校として、本物の中学校として使われていたのですが、少子化に伴う統廃合の流れを受け。。。
今ではこの校舎の所有権は私立大学法人である東京未来大学に移り、校庭部分に新校舎が建っていたりと、往時から姿を少し変えています。
「千住ではじめる」プロジェクトとは?
「千住ではじめる」プロジェクトとは、足立区の中でも特に北千住駅の東口エリア"千住東エリア"における空き家活用プロジェクトです。
足立区のような密集市街地では、空き家が課題となります。
その理由はやはり防犯・防災上のものなのですが、ただ空き家を除却するというわけではなく、有休なストックとして、より公益的な活用をすることで、同時に課題解決を 図る考え方にシフトしてきています。
発端は、足立区住宅課が実施したプロポーザルである「空き家利活用促進事業コーディネート業務委託」。
このプロポーザルで事業者として特定されたのが、「特定非営利活動法人千住藝術村・株式会社ARCOarchitects 共同体」。
彼らは今回「千住Public Network EAST」を名乗り、空き家利活用コンペを開催したのです。
こちらが公式サイト。
空き家活用アイデアプレゼン
今回のテーマは、具体的に提示された物件「駄菓子屋ハウス」(千住旭町)を題材に、活用のアイデアを、本当に使う前提で提案すること。
そう。本当に使うのです。ここが、ただのアイデアプレゼンとの違いでしょう。
応募者は、アイデアや公益性、事業性などをアピールすることで、”我こそは空き家を活用するのに相応しい存在である”ということを競い合います。
12件の応募があったそうで、最終プレゼンにはその中絞られた4者が登壇されていました。
ただ、最終プレゼンの4件からさらに絞るということはせず、4者がそれぞれ平等に大家さんとの活用交渉に進む様子。
詳細はアレですが、出ていたアイデアはそれぞれ、
①東北と北千住をつなぐ拠点的な手毬小商いカフェ 東北わくわく堂
②曜日でオーナーが変わる、子育てママの居場所
③日常と非日常が同居する"家劇場"としての一人暮らし
④建築家が地域活動拠点としてプロデュースし、その後少しずつ地元主導に移行
という感じでした。
提案者の半数以上が女性なのが印象的でした。
審査員からの質問で「なぜ、それを千住の地で?」というのが多かったけど、今回みたいなプレゼンではどうでもいいんじゃないのかなー。。
さらに感想をいえば、まずは②の提案中で紹介されていた活動イメージとして、仲良しの「ものつくりカフェモンシュシュ」さんが例示されていたことにクスリとしてしまいました。
そして③は、プレゼンのクオリティも発想のぶっ飛び度も常人の域から超えていて、なんというかもう実現してほしい感じです。
とりあえず今回は、荒川区エリアでの活動につなげるためではなく、どちらかと言えば息抜きのための訪問。
とは言え、勢いだけで終了後の懇親会に飛び込んでしまい、ずっとご挨拶したかった株式会社CANの方とつながれたのはとても収穫でした。
勝ち負けではないですが、負けない。