no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

余所者の自分が町会に乗り込んでみた、弐

(続き)

 

「地域の居住者から集められる町会費は、

やっぱり年配の方々のエンターテインメントのために使われていたのかー!!!」

 

配布された資料の「平成25年度会計報告」の項目を見ていてまずは愕然。

いや、もちろん全く予想していなかったわけではありませんが。

 

 

ここで理解を深めるために確認しておきたいのですが、

川崎市においては、市全域が何かしらの町会・自治会の圏域で覆われています。

もちろん川崎市以外においても、都心部か郊外部かどうか問わず、こうした状況が支配的なはず。

東京都であろうと、愛知県であろうと。

 

そして、今回で言えば「川崎市高津区明津」という大字は基本的に「明津町内会」の圏域になっているので、

明津地域の居住者は「明津町内会」に加入するか否かという選択肢のみを持ちます。

(つまり、明津に住んでいるのに他地区の町会に加入するという越境行為はきわめて例外的)

 

また、基本的に町会・自治会への加入には強制力があるわけではないので、「明津地域の居住者」イコール「明津町内会の構成員」という等式が成り立つわけではありません。

そのために、町会は基本的には会員同士の相互扶助・QoL向上のための活動をしていればよいこととなります。

愚直に「地域のため」の活動に取組むことによって、町会加入者と非加入者のどちらに対しても良い顔をしなければならない、ということでは決してないわけです。

 

ですので、今回町会が町会のお金を町会員の懇親のために使っていたとしても、何ら問題なしということになる。

でも、実はそうじゃないのではないか?と個人的に思うわけです。

 

この話がややこしい主因の一つは、おそらく集合住宅が増えたこと。

昔からの大地主(もちろん町会・自治会に所属)が、財産の有効利用のためにアパート・マンションを経営するようになりました。

こうした集合住宅への転入者が、共益費・管理費などを通じて無自覚に町会費を支払っているというケースが生じるわけです(全てではありませんが)。

 

こうなると、町会に加入・協力する意思はない人が、町会の活動資金だけは提供してしまっていることになる。

一方で町会の方々は、変わらず会員同士の懇親・相互扶助のための活動を続けるわけです。 

※全ての町会・自治会がそうであるとは言えませんが、例えば私が東京で住んだことのある4地域のうち、2地域はそうだったように思います。

 

これはおかしいな、と感じてしまいます。

※若い有権者が選挙権を行使しない結果、若年層軽視・高齢者向けの政治が行なわれる、という構図と似ている気もする

 

町会の活動資金の出処が、町会活動に賛同する人以外にまで広がっているのだとすれば、

町会・自治会の活動もより公益性・公共性を持つべき、ということになる。

狭義の町会構成員以外も含めた「地域貢献」をする必要が、ここで生まれると考えられるわけです。

フリーライダー問題も指摘できますが、今回は踏み込みません)

 

さて、行政はこうした町会・自治会をどう位置づけているか。

 結論から言えば、税金から彼らの活動資金を提供し、活動を支持するという立場です。

 

この背景には、

地域コミュニティの復権による孤独死の予防、

自治体財政の逼迫に伴う「新たな公共の担い手」としての町会・自治体への期待、

等があるでしょう。

 

こんなキャンペーンを打つことで、行政自ら町会・自治会の加入率を上げようともしています。

 

しかし実際、町会・自治会はその活動範域における「小さな公共」を担っているかということを考えると、それは怪しいと言わざるを得ない。

行政が税金を投入して活動支援を行ない、

さらに「市民のみなさん、どうぞ町会・自治会に入ってくださいお願いします」というキャンペーンまでゴリ押ししている町会・自治会が、「実は一部加入者の利益のために動いてました(てへぺろ」ということではおかしいわけです。

行政が、その活動実態を知らずに「とりあえず町会・自治会バンザイ!」と無制限・無分別に支持しているのだとしたらそれもおかしいと思うのですが、さすがにこのあたりの活動把握はしているのかな…? 

 

 

町会・自治会が、その活動範囲である地域を代表するような、しっかりとした運営主体とまではなりきれていないこと。

 

その背景は、

 

町会・自治会の中心メンバーが、若年層へのアピールが苦手であること、

若年層は基本的に仕事があり、地域活動に参加することが難しいということ、

 

その他いろいろな要因がありそうです。

 

 

ただ、こうした状況を指をくわえて見ているだけでなく、「自分に何かできないものか?」とも考えるわけです。

 

 

さて、町会総会の話に戻ります。

平成25年度活動報告や平成26年度活動計画、役員改選などの一連の報告が終わった後、自由意見交換の時間となりました。

 

 

気がつくと挙手をして、人生の大大先輩方に向かってこんな質問をしていました。

 

「今、せせらぎ遊歩道の清掃活動の告知方法はどのようにされていますか?

町会掲示板に張り出すのみ、参加連絡が担当者への電話のみでは、意識ある若い人が参加しづらい状況であると思うのですが。」

 

(参、へ続く。。。と思います)