「社会に無関心であることなど許されない」という息苦しさ
まだまだ社会人1年目。
業務として殺人的に忙しいということはなくても、日々の拘束時間は学生時代と比べて圧倒的に増えるわけで、ただ自分個人のために使える時間は激減します。
そんな可処分時間が少なくなってくれば当然(かどうかはわかりませんが)、”生きていくために必要なもの”について優先順位をつけて生活していくことになります。
最大なものは”翌日も元気に出勤するために、決まった睡眠時間を確保する”ということで、かつてのように寝る間を惜しんで何かをする、ということは全くありえません。
睡眠を優先し、余暇を劣後するわけです。
そんな中の一つに、”使う時間の用途は業務執行を最優先とし、目的の薄い時間消費は控える”というものがあります。
損得感情をこじらせた自分は、”毎日のニュースを読み解いて国際情勢を理解できるということに、いったいどれだけの価値があるのか?”というところに辿りついてしまうわけです。
もちろん朝は身支度しながら情報番組を垂れ流しますし、通勤電車内では眠気と戦いながら新聞電子版を読みます。
ただ、特に問題意識を持ってそれら情報に接するわけではないですし、きわめて分野限定的な職業性質上、仕事をするうえで必要・有益ということもありません。
文字通り”目を通す”だけにとどまっていて、社会人として基本的なこうした行動に、何か意味を見出すことができていない状況です。
”みんなやっているからやるべき”くらいの理由なら、やらなくていいんじゃないか?という結論に達しそうな状態。
そんな中、ここ最近の「イスラーム国」が邦人拘束・殺害といった一連の報道には、さすがに関心を持たざるを得ませんでした。
「いったい「イスラーム国」って何なんだ?」
「どうして中東・イスラーム情勢はこんなことになってしまったんだ?」
と、問題意識まではいかなくとも、疑問を抱くくらいにはなった。
そこで、とりあえず読書だ!ということで、予備知識補充のため一冊読んでみたわけです。
発売日 : 2015-01-20
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そんなニュースに接する上での、予備知識補充のために。
ですが、そんな甘い覚悟では立ち向かえないほど情報量と考察量が多い本でした。
2015年2月初頭現在において非常にタイムリーなテーマなので、他社新書でも類似テーマの書籍が刊行されています。
2014年より国際情勢で目立ち始めた通称「イスラーム国」について、その台頭までの歴史的政治的背景・行動の原理・メディアを使った宣伝方法について独自の分析がなされています。
イスラーム世界ということもあり、語られる名詞や言葉があまりに多く、読むのに一定の体力を要します。笑
おそらく私のように、ニュースを読み解く基礎知識だけが必要であれば「2 イスラーム国の来歴」「3 蘇るイラクのアル=カーイダ」だけでよく、
”なぜこれほどまで台頭したのか?””どこに向かうのか?”といった問題意識を持つのであれば「4 「アラブの春」で開かれた戦線」以降の章をじっくり読み進めてよいのかなと思います。
読了後に深い考察にふける。。。ほど深くは読み込めず、悔しさの☆3つです。
こんな程度のレビューしか書けないのかと、心底悔しくなりました。笑
曲がりなりにも、大学受験では世界史をかなり深いところまで学習し、歴史を大きな流れとして理解・説明できるほどの訓練をして、受験知識を詰め込んでいただけに。
その知識が全く生かされず、世界に関する理解という面で全くの初心者状態になっていることに驚かざるを得ませんでした。
教育課程において世界史や日本史を学習する目的って、【世界や日本を自分なりに読み解く=思考し、意見を発するため】であることは論を待たないはず。
弱音だけのエントリで恐縮ですが、個人的にかなりショッキングな出来事だったので。