まちライブラリーってなんだ?
まちライブラリーというものがあるようで。
市立図書館とか大学図書館とか、公共インフラとしての大きな図書館は数多ありますが、それらをミクロなところで補完するもの。
平たく言えば、本を通じて情報をインプットするだけでなくて、その感想の共有や議論を通じて人同士のコミュニティが育っていくような機能が期待された場所のことです。
そこでは本は統一された検索番号により陳列されるのではなくて、どんな人が、なぜその本をオススメするのかという、本にまつわるストーリーが重視して紹介されるという。
まちライブラリーという言葉を知る前から、読書ってめっちゃ可能性あるんじゃないかな?と思っていたわけです。
それは武蔵小杉での「こすぎナイトキャンパス読書会」や蒲郡の「喫茶スロース読書会」の参加経験を通じて痛感したもので、共通の本の感想によって初対面のコミュニケーションが円滑になる感覚、ただその本を読んだというだけで新たなコミュニティに参加する障壁がなくなる感覚。
そんな理由で、自分がこれから好きなまちで、まちづくりに入っていくためには、間違いなく読書会だろうなと思ってたのです。
そういう興味があったので、もともと気になっていたこの本を読んでみたと。
まちの小さな私設図書館である”まちライブラリー”の広がりについてのエッセイ本です。
カフェでもオフィスでも、そして個人の家でも、自由に本を持ち寄って置ける本棚を用意することで、その場所がコミュニティの拠点になります。
そして本を通じたコミュニケーションが生まれます。
”地域の壁”を緩やかに崩すための、間違いなく良い方法だなーと感じました。
今年中に私も着手しよう。
事例が多いので、本としての読み応えは少し冗長な印象もありますが。
興奮した読後感が伝わりますでしょうか。笑
ただ、この本ほか、まちライブラリー・マイクロライブラリーの推進者である磯井純充さんの著書をざっと見ても、まちライブラリーの基本的な考え方とか理念と、全国に広がる輝かしい事例みたいなものは知れたものの、具体的な運営とか実際に普段何が行われているのか、仕組みみたいなものについてはさほど紹介されておらず。
磯井さんも事業としてやられていることなので無理もないですが、「実際どうなってるんだろ?そんな夢物語があるのかな?」という疑問が湧くのは自然な流れで。
実際に事例を見に行ってきました。
降り立ったのは入谷駅。
ここに、前述の本にも事例として紹介されていた「イリヤプラスカフェ」があります。
大通りから一つ路地に入ったところにある、古民家を改装された趣のあるカフェ。
お店の前に並ぶ自転車からは、地元の方々に愛されている様子が伝わります。
店内の壁には一面の棚があり、ずらーっと本が並べられています。
左のほうには、本にも出てきた"まちライブラリー"のロゴが。
おお、見つけた…!
ただこの本棚、それを塞ぐように棚の前に客席が並んでいるせいか、気軽に本に手を伸ばすことにはハードルを感じざるをえません。
また、並べ方も普通の本棚なので、普通の書店のように背表紙から本を選ぶことしかできず。一つ一つにまつわるストーリー、というわけではないのね。
というわけで感じた結論は、普通の喫茶店にある本棚でした。泣
週刊誌とか漫画でなく、ホントにジャンルは雑多でしたが。
本にまつわるイベントとかがあるのかな。
ちょっと他の事例も見なきゃです。