荒川区景観まちづくり塾に行ってみたら期待をちょっと下回った。 -「町屋銀座まちづくり?第5回」
町屋の調査を始めてから、町屋のみならず荒川区の情報が気になり始めたこの頃です。
荒川区トップをRSS登録すると区のいろいろな情報が読めるわけですが、ある時気になるものを見つけたわけです。
それが、こちら。
(荒川区HPより)
いろいろ説明はあるものの、そのへんは面倒なので詳細は読まず。
「荒川区のまちづくりへの取り組みを説明する名目で、まちづくりに興味を持つ意識ある区民その他を掘り出してネットワークするための場なんでしょ?」くらいに解釈しました。
次のステップに進むための何かが見つかるかなー。
そして7月30日、当日。
完全に早とちりだったことがわかりました。
現場である荒川区北庁舎に行くと、受講者として席に座っているのは若く見積もっても70歳以上の方々ばかり。
「まあこういうのに興味持つのってシニア層だよなー」と、焦りを隠し自分を慰める。
内容は、いきなり荒川区の再開発担当部長が登壇して、荒川区の景観計画の説明。
部長・・・?
※行政における部長職の参考イメージ
自分が行政担当者時代だった時、3ヶ月に一度くらい会話するかどうかの人
その部長が、区民向けに計画説明。重いのです。
部長の講義は至極わかりやすいものでしたが、その直後の質問の場面がなかなかどうして。
「家の近所で用地買収が始まってるけどいつ完成するんだ?」←景観・・・?
「電線地中化はどうして景観計画に入ってないの?保護樹木はどうして景観計画に位置付けられてないの?」←景観には関係あるけど声色が完全にクレーム
「同じ都市計画道路の整備なのに、3丁目は見直しで4丁目は事業推進ってどういうこと?」 ←景観・・・?
などなど、挙手が尽きない雰囲気でした。講義内容あまり関係ないー。
説明責任と言えばそれまでですが、そこには「行政vs住民」の対立的な構図です。
荒川区の景観行政についての勉強会「勉強して、区民みんなで荒川区の良い景観を作っていきましょう」ではなく、勉強会はあくまで行政幹部職員を連れてくるネタに過ぎない印象。
納税者である住民の一方で、それを資金にサービス提供をする行政なので、完全な対等関係にあるとは言いませんが、行政が住民接触を過剰に敬遠する理由はこんな積み重ねだと言わざるをえません。
このことが行政に悪影響を与え、彼らに「いかにして寝た子を起こさずに事業を進めていくか」というスタンスをとらせるようになるという悪循環が発生することは事実でしょう。
説明の場は最小限、かつ入念な想定問答を作成し、さらにはタテ割りを言い訳に「その件に関しては都が進めておりますので」「○○局が進めておりますので」という殺文句を用意するようになります。
住民側は「そんなことは聞いてない」となり、まさに負のスパイラル。
行政サービスの質を高めるために、どうしても語気が荒くなってしまう気持ちは至極最もなのですが、このあたりの付き合い方がどうしたものなのかと、久々に思わされました。