町屋・荒川地域でマップを作るようで - 「町屋銀座まちづくり?第12回」
というわけで行ってきました、荒川区景観まちづくり塾の第五回。
連続講座後半の街歩きグループワークに先立つイントロダクションとして、最初の一時間は日本大学まちづくり工学科教授の岡田氏による基調講演でした。
まちづくりの分野で頻出し、本講座でもこれから活用されるワークショップという意見交換方式について、意義や歴史的経緯などが説明されました。
提唱者であるハルプリンとか、相手の意見を否定しない、といったお馴染みの話。
岡田氏の講演内容で興味深かったのは、防災的な施策を一点で行うことでなく、ある程度広がりを持った面として行うことの意義でした。
静岡県袋井市において津波防災を目的として整備された命山の事例を取り上げ、景観的な変化の緩和への期待と、(防災訓練として意識的に使わなくても)日常的な遊び場などに使われることでの市民権の獲得があると聞き、それはそうだなあ、と。
三保地区に「命山」 用地は企業無償譲渡 静岡|静岡新聞アットエス
ただどうしても、グループワークに取り組む前に権威から提供された話題はその後の議論展開に影響を与えてしまうので、多額なハード整備を辞さないような提案が受講者から出てしまった場合のことを懸念してしまいます。なんて行政脳。
さて、基調講演の中で、後半のグループワークでの成果物イメージが初めて示されました。
それは、「荒川区景観まちづくり基本台帳」と「わいわい防災マップ」の作成。
年度後半のグループワークでは、現在までに形成されてきた街の景観的資源と防災対策のネタを、まずは炙り出すということに集中するようです。
尾久地域、町屋・荒川地域、日暮里地域、南千住地域ごとにグループに分けて街歩きを行い、①まずはその中で発見する日常景観を抽出してデータベースを作るということ。
行政のまちづくり部門と防災部門ほかのタテ割りに対して、本講座では横つなぎでいいとこ取りのデータベースを作成することに意義があると説明されていました。
②そして、それらを地域ごとのマップに落とし込み、ポケットに入るような防災マップとします。
ただ、ようやく発表された成果物イメージに対して、コレジャナイ感をお持ちの受講生も少なくない印象でした。笑
「ただの地図作りだとは思わなかった」
「もう少し景観寄りだと思っていた」
など、後半1時間のグループワークでの顔合わせでは気になる声も聞こえており。。
まあ実際私もそうなのですが、本講座への参加動機は"自分がいずれ荒川区に転居してくるための事前営業"と位置づけていますので笑、この講座を通じて面白い方やキッカケと出会えたらなーと楽観しています。
気の合う方、志をお持ちの方がいれば繋がってしまえばよく、そんな出会いの箱が提供されることこそに行政主催の講座の意義というものがあると思っています。
こうした講座を行政への陳情チャンネルとして捉えてしまうと、「あの整備はどうなっているのか」「この検討は進んでいるのか」といったギスギスした雰囲気となってしまったり、むしろ行政は固くトビラを閉ざしてしまう恐れすらあります。
さっそく次回が街歩きとなります。
我がグループでは地域危険度東京都ワースト1の町屋四丁目の街を中心に回り、地元の方と歩くことができるということなので、地域のことが勉強できそうです。
自己紹介をすると経歴にも面白がっていただいたので、何かが始まりそうな気がしています。