町内会の活性化戦略検討プロジェクトを始めました。
3年半前にこのブログを始めた時から気になっていた、町内会・自治会という存在。
さらに遡れば大学3年生の頃から意識をし始めた、単身者にとっても眼前に広がっているのにまったく手の届かない存在。
ここにきてようやく、そんな町内会と一緒にまちづくりに取り組めることになりそうです。
これまで、町内会絡みでこんな記事を書いてきました。
いずれも、意識だけはあるものの積極的な行動が伴わず、具体的な成果にまでは至らなかった試みたち。
徒労な一方で、もちろん学んだことも多かった。
町内会の課題
なぜこんなにこだわっているのかと言えば、町内会が抱えている課題は、私の問題意識と共通しているのです。
それは、「既存住民と新規住民のちょうどいいカンケイとは何か?」ということ。
町内会・自治会の由来を戦時中の大政翼賛会の末端組織としてか、はたまた隣組的な監視組織として見るかはともかく、地縁に基づくコミュニティというものは、近年再び重要性が見直されています。
よく言われるのは災害時の共助の受け皿、高齢者の孤独死問題といった課題解決の側面ですが、その他にも、地域に知り合いが増えることにより日々のQoL(生活の質)を高める効果や、行政ではどうしても細かく見ることのできない地域単位のきめ細やかな課題解決のカギを握っているのが、地域の最小単位である町内会だと思うのです。
しかしそれはあくまで机上のお話で、町内会の実際を見ると、理想的とはなかなか言えない状況のようです。
生粋の住民である高齢者のみによってかろうじて維持される運営には、単身者やファミリー世代を問わず若い世代が不在となっています。
地域の高齢化は、これまで可能であった祭礼や盆踊り、餅つき大会といった行事運営に支障をきたし、縮小化や外部委託化を余儀なくされ、町内会活動の疲弊と言われるような事態を生じます。
そこに、地域コミュニティを"面倒なしがらみ"として捉える傾向が重なり、担い手となりうる世代は離れていくばかり。
なるほど、溢れるモノによって基本的な生活の質は世帯単位だけで確保することが容易になり、町内会に相互扶助的な役割をあまり必要としなくなったのかもしれません。
さらに、平日はほぼ会社で過ごすような世代にとって、夜や土日の時間を投げ出してまで参加することもあるような町内会に対して、及び腰になるのも無理ないことでしょう。
しかし彼らも地域からの完全な孤立を望んでいるわけではなく、現代的な「ちょうどよい関係」を求めていると思うのです。
「担い手」としての新規世代を求める既存住民と、「適度なつながり」を求める新規住民は、確かにいます。
お互い反発しているわけではないのに、ちょっとした意思疎通の不足がこの事態を生んでいるのだとすれば、この間の「ちょうどよいカンケイ」を見つけることはとても大切だと感じます。
潜在的には片思いなのに、その糸口がなかなかない。
それが、都会的な地域コミュニティに生じている症状だと考えています。
これまでの経緯
そんな問題意識と、私の超個人的な「そろそろ地域に溶け込んで生活してみたいな」という思いが混じった結果、これまで中途半端ながらの取り組みを、先に挙げたように試みてきたわけです。
そんな反復は、個別には徒労に終わった部分も多いでしょう。
しかしここ町屋では、この一年半の間いろんな方向に種を蒔いてきた甲斐もあって、なんとか次のステップに移行しようとしています。
現在、具体的な町内会を対象に、そこの役員さんを筆頭に、同じく町屋地域に住むシニアや若者で戦略会議を結成し、前述したような町内会の課題を解決して活性化を図ろうとするプロジェクトを進めているのです。
これまで3回ほどの打ち合わせを重ね、対象町内会の圏域にお住いの方々の考えを把握するためのアンケート調査を実施しました。
結果は町内会報としてまとめられて全戸配布され、地域に「おや、町内会が何か動き出したな」というインパクトを与えられたのではないかと思っています。
アンケートプロジェクト
【町内会のあり方PJ】ついに動き出しました。第一弾、まずはアンケートから。 pic.twitter.com/3O9ZxGDj2M
— こむば氏@荒川 (@KMB_Masa) 2017年7月23日
まずは、町内会圏域にお住いの方々が、どんなことを町内会に望んでいるのかという基本的なことを把握するため、アンケートを実施しました。
全世帯に対する調査はさすがに骨が折れるということで、まずは7月の町内会イベント「納涼会」へ来場してくださった方々に向けて。
A4両面程度の、簡単な調査票を作ってみました。
(調査票の冒頭部分)
集計し、分析。
やはりサンプル数は少ないので統計的な何かが言えるわけではありませんが、町内会として変わり始めたということを少しでもアピールするため、町会だよりのアンケート特集号を発行しました。
(アンケート結果を知らせる町会だより)
当面の狙い
当面は、地域コミュニティの防災面での役割を強調しつつ、若い方々にも参加しやすい町内会の土壌づくりに向けた戦略を練っていこうと思っています。
自主防災組織とか地域防災計画とか、そのあたりがキーワードになってくるのか。
はたまた、もっとロハスでオシャレな活動に手を広げていくべきか。
とにかく面白いプロジェクトになりそうなのは間違いないので、このブログで引き続き発信していきます。