地域コミュニティ試論 イントロ
地元の人と、余所者。
既存コミュニティと、流動的住民。
地域の担い手と、地域の傍観者。
もうずっと、かれこれ10年以上もそんなことを考えています。
2年未満で住まいを動き続けるような根無し草としての生活を続けている限り、おそらくそのことについて考えるのをやめられそうもありません。
そこから抜け出す手段はただ一つ、地域に根を張るということ。
終の住処とは言わずとも、”その地で生きる”という決断が必要になります。
"地域に根を張るということ"は、単に土地や家を購入することだけに限定されるものではありませんが、少なくとも通学地や勤務地へのアクセスと家計的事情のバランスだけで居住地を選んでいる段階では、到底至り得ないものではないでしょうか。
その時点で余所者は、"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"となる資格を得ます。
難しいのは、ここで言う"資格"はやや特殊な性格を帯びており、資格を持った上で地域に入門することが求められるということです。
入門方法にはいくつかあって、まずは公園デビューからなのか、PTAに参加することなのか、町内会の組長・班長などの役職を務めることなのか、消防団に入ることなのか、他にもあるのかもしれません。
そうした試みを繰り返したところで、結果的に"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"となるというストーリーが、まだ余所者でしかない私の推論的仮説です。
ここで私が主張したいことであり、かつ疑問なのは、"地元の人""既存コミュニティの一員""地域の担い手"になるということが、地域に根を張る前には不可能なのか?ということです。
要は、アパートで賃貸暮らしをしている学生や単身者は、地域と切り離された存在でいるほかないのか?ということ。
これまで、それに抗おうとしてきました。
町内会への参加。
地域活動への参加。
ブログによる情報発信。
地域イベントの企画。
町内会活性化戦略検討会議の発足。
既存の大きな流れへの"参加"から、次第に仕掛ける側になっていきました。
一方で、マツリズムのような、もうある程度割り切ってしまうような活動に合流したりもしました。
この試行錯誤を経て、いろいろ見えてきたことがあるので、これから何回か連載的に書いてみようと思います。
とりあえず今日は、イントロダクションということで。