no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

モトスミ周辺案内④「元住吉検車区」 〜車両基地のある街〜

f:id:phantom_gon:20140719185128j:plain

f:id:phantom_gon:20140719185150j:plain

 

元住吉駅の改札は、北側に一ヶ所だけ。

駅南側(木月3・4丁目など)の住民の利便性を考えれば当然、北と南に改札口があってもよいかと思いますが、2006年に橋上駅となった後も、地元商店街の強い意向で改札口は北のみとされました。

もちろんこの理由には、北口に改札を限定することでより利用者を商店街に流せるということが大きいですが、それでは南口には何があるのでしょうか。

 

既にお分かりでしょうが、元住吉駅の南側には東京急行電鉄 元住吉検車区」という、いわゆる車両基地が広がっています。

f:id:phantom_gon:20140720085328j:plain

 

この車両基地には、東横線の車両が留置されているのはもちろんですが、近年の他社線直通運転の流れもあり、冒頭写真のように東急ほか各社の車両を見ることができます。

副都心線東武東上線西武池袋線埼玉高速鉄道都営三田線など。

 

基地の周辺を歩くと、子連れの家族が、フェンス向こうの車両を見ながら、路線名や駅名のクイズをして歩いている様子を見かけ、ほっこりすることがよくあります。

元住吉周辺に住むことは、電車をより意識する生活をすることを意味していて、鉄道好きの子どもが多く育っていくんだろうなと思わせてくれます。

 

 

さて、ここまでは“風景として”“味わう客体として”の車両基地についてお話しましたが、ここからは逆の視点で見てみることにします。

実はこの元住吉駅南側に広がる車両基地の敷地内には、車両の留置・検査等を行なう基地機能だけでなく、
「東急教習所・育成センター(研修施設)」と「乗務拠点」としての機能も存在しています(後者は推測)。

 

f:id:phantom_gon:20140719184827j:plain

前者の研修施設についてはこちら。

総合職職員から現場職員まで含めて全てこちらで研修を受けるかどうかということは定かではありませんが。

 

また、後者の乗務拠点ということについては多分に推測の要素も強いのですが、

車両基地が存在しているということは、ここから出入庫するということを考慮すると付近に運転士出勤先があるのではないか

②運転業務前後と思われるカバンを持った東急職員を元住吉駅付近でよく見かけること(吉野家で食事していたり)

元住吉駅改札内に部屋名の記載のないドアがあり、そこに運転士が出入りしていること

といったことから、可能性は高いのではないかと思われます。

 

こうしたことから、元住吉の街は鉄道社員が多く通勤する鉄道城下町となっている感があります。

東急の職員の方々は時折商店街に出て、消費をしているわけです。

そういえば、元住吉の街で現場の制服を着た職員の方々を多く見かけるなという印象はありませんか?

 

こちらのブログを見ると、元住吉検車区では地域に開放されたイベントも開催されているそうです。

これについては情報はありませんが、乗務員室体験とか、制服着用での写真撮影があるのでしょうかね。

休日の家族の満足度が高いイベントだと想像できます。

 

街と鉄道施設の間に、インタラクティブな交流があるということですね。

 

というわけで、商店街と同じように、この車両基地についても元住吉のアイデンティティの一つと言えるのではないでしょうか。