no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

西鶴屋橋とサウンドスケープ

あまりに突然ですが、「サウンドスケープ」という言葉を知っているでしょうか。

「風景」を表す「ランドスケープ」を基にした言葉で、直訳すれば「音風景」「音環境」という感じになります。

 

 音楽や会話における音が能動的に聞くものであるのに対し、サウンドスケープにおける音は自動的・自然的に入ってくるような、日常環境における音です。

前者は人や楽器といった音源によって規定されるのに対し、後者を規定する最たるものはその場所性と言えるでしょう。

 

その場所ならではの音。

特徴的なそれは、「ランドマーク」に対して「サウンドマーク」と呼んだりするそうです。

 

そして、空間デザインをする上で意図的にサウンドスケープの考え方を取り入れていこうという試みは、「サウンドスケープ・デザイン」と呼ばれるようです。

 

サウンドスケープに関してさらに興味のある方は以下のリンクを。

wikipedia「サウンドスケープ」

日本サウンドスケープ協会

 

 

そして今回、このサウンドスケープデザインの考え方を取り入れて作られた公共施設が横浜にあるということで、様子を見に行ってみたわけです。

 

それがこちら。

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我が国初のサウンドスケープ橋。

横浜駅西口より徒歩5分程度にある、「西鶴屋橋」(横浜市西区)です。

 

ぱっと見、何の変哲もない橋です。

 

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「橋の上で、●●●●●向けてください
 かすかなさやきが、あなたの耳にとどきませんか
 風に揺れる木の葉や●々のささやき…………
 ふと耳を澄ませた時、はじめてきこえてくる音たちに
 あなたの心が響きませんか」(写真から読み取れる部分のみ)

 

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パイプオルガン?を思わせるような欄干の意匠。

実はこの中に音を出す仕組みが隠されていて、橋が振動を感じるたびに、小さな金属音を鳴らす仕組みになっているよう。

その音がさしずめ、都会における木々のささやきなのだ、と。

 

設計意図については、おそらく設計者のHPであろうこちらが詳しいと思われます。

 

 

さて、肝心の実際の音の印象なのですが、私の耳では橋のものと思われる音はほとんど聴こえなかったです。

 

本当にわずかな音しか鳴らないように設計されているのか、経年で音を出す機能が劣化しているのか、

それとも頭上を走る高速道路によってかき消されているのか。

 

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少なくとも、この橋がサウンドスケープ的な意図で作られたことに気づく人がどれだけいるのだろうか、という印象でした。

橋名表示プレートに名前を連ねている、当初の行政や地元協議会は、こういう未来を想像していたのでしょうか。。。?

 

 

とりあえず今回のところは、こんな面白い橋がありますよ、という事例紹介にとどめます。

ただ、こういう「都市の中に偽物を取り入れる」とか、「大衆空間に哲学を仕掛ける」みたいな試みが、一体誰にとってどれだけ意味があるのかという点にはきわめて懐疑的になってしまいます。