no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

たくさんの野望が同居するステージ。北千住東口エリアに現れた「家劇場」のおひろめイベントにお邪魔してきた話。

※本日ご紹介するプロジェクトは、類似のものがなく最強に面白い話なので全力で拡散したい反面、きわめてプライバシー上の懸念もあったりするのでどこまで拡散してよいものかというジレンマの中、あくまで公開情報をもとにした紹介にとどめたいと思います。。。。うーんまどろっこしい

 

はい、今日はこのお話です。

 

きっかけは、今年3月に東京未来大学で開催されたアイデアコンペから。

「千住ではじめる」プロジェクト

 

「千住ではじめる」という一覧の公開講座がありました。

このプロジェクトの正体は、昨年度に足立区が公募したプロポーザルである『空き家利活用促進事業コーディネート業務委託』

業務概要は以下な感じです。

空き家利活用をテーマとした「協創プラットフォーム」を立ち上げ、活動の企画、運営、情報発信を通して、モデルエリアの現状と課題を共有し、空き家利活用を促進するための具体的な活動を展開する。

(足立区HPより)

ここで言及されている「協創プラットフォーム」が、アイデアコンペの主催者であった『千住Public Network EAST』ということなのでしょう。

spne.localinfo.jp

そして、「具体的な活動」こそが、#01から#03まで開催された「千住ではじめる」の公開イベントから、アイデアコンペまでの一連の流れということになるのだと思われます。

spne.localinfo.jp

北千住駅東口エリアには、空き家が多くあります。

見るからに明らかな廃墟もあれば、手入れ次第でまだまだ使えるものも。

そんな状況に、行政が『空き家をうまく活用してくれる人いませんか?』と、区のHPなどを通じて呼びかけたとしても、きっとリーチしないのでしょう。

空き家活用をきっかけに、担い手の掘り起こしから住民のモチベート、街としてのブランディング向上まで一気につなげていくためには、民間の、どちらかと言えば若い力と発想が必要だったということです。

 

選ばれたのが、「家劇場」

イデアコンペの様子は以前書きました。

その結果、『家劇場』という案に決まったそうです。

 

より正確に言うならば、3月に行われたアイデアコンペは、案を決めるための場ではなかったようです。

空き家にも当然、所有者たる大家さんがおられて、最終プレゼンターである4組が等しく大家さんとの交渉権を持ちます。

イデアコンペの後に、個別の交渉や、複数案のコラボレーションなどの可能性を探った後に、大家さんが最終的に選ばれたのが「家劇場」だったということでした。

 

夢をかなえる舞台

さて、その「家劇場」のお披露目会があったので、実際に行ってみました。

Facebookイベントページができていたので、それを通じて知ったのです。

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住所はもちろん伏せますが、北千住駅東口から徒歩3分という好アクセス。

鬱蒼とした緑に隠れて建物の様子が見えないのが、逆にとってもよい味。


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建物に入ると、スライドが。

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facebookページのスライドから)

イデアコンペの時にも使われていたスライドで、ここから彼女の独特の世界が始まります。

バレリーナ、建築家、デザイナー、ディレクター、アーティスト。その全ての夢を諦めないで追いかけることのできる場所にしたいという野望。

 

余談ですが、収納スペースをプロジェクターのスクリーン代わりにしてたのが、はやくもこの空間を使いこなしてる感じで面白かった。

 

古民家ツアー

それからしばらくは、建物の内見。

たぶん戦後すぐくらいの建物で、なかなかお目にかかれないクオリテイの長屋でした。

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ずっと見ていても見飽きません。

それでもやっぱり、家'劇場"

それでも忘れてはいけないのが、ここは家"劇場"だということ。

劇場だから、表現の時間があります。

なんの予兆もなく、突然20分ほどのステージが始まりました。

この演出が、ただ古民家に遊びにきただけではないことをはっと再認識させてくれて、新鮮でした。

 

あれ?

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ほら、座敷童子。

 

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寝転がる。

そして音楽とともに始まったのは、とても言葉では語りつくせない世界。

 

これからどうなるんでしょうか。

さて、この家劇場はここからどうなっていくのでしようか。

一つ言えるのは、まだこの長屋には、掃除を除いて、手が入れられていないということ。

これからいくらでも変化する余地があるということです。

ということは、そんな変化の前のプロローグに立ち会うことができたのは、とても幸運なことなのかもしれません。

 

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