no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

天下の奇祭、三谷祭レポートと所感

私は愛知県蒲郡市民として産まれ、20年近くを市内で生活していました。

しかし、三谷エリアから少し距離のある塩津エリアで過ごしていたため、蒲郡市の誇る「三谷祭」を体験しないまま故郷を離れてしまっていました。
蒲郡市内は東より、大塚、三谷、蒲郡、中部、塩津、形原、西浦の7中学校区に分かれます)
 
三谷祭と言えば、「なんだか神輿を担いで海に入る祭りがあるらしいぞ」と、微妙にずれたイメージだけを持ったまま、一度も見ることなく30歳手前に。
ただ、近頃は急激に上昇する郷土愛を抑えられなくなってきた自分です。
そんな思いが高まった勢いにより、ちょうどビッグサイトで愛知県東三河ブースを見かけた日に、10月23日の夜行バスほの国号チケットをクレジット決済していました。
これはもう観るしかなかろう、と。
 
 
【三谷祭とは】
ここで少しお祭りの解説を。
神社の例大祭である、と言ってしまえば、一般的な氏神様のお祭りと同じでそれまでなのですが、”天下の奇祭”とまで呼ばれるその見所・特殊性は2つあるかと思います。
①地域の4地区が曳く山車(やま)、その巨大かつ豪華絢爛さ
②二つの社をめぐり、かつその間に「海中渡御」する男性たちの姿の勇壮さ
 
詳しくは三谷祭の公式サイトがあるので、詳細および正確な情報はこちらを。
 
 
さて、今回観てきた三谷祭りのハイライトを写真にて。
 
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24日。
各区より八剱神社門前に集う四区の山車。
左より上(あげ)区の剣、北区の三蓋傘、西区の恵比寿、中区の花。
それぞれの山車の上には正装の子ども達が乗り、打楽器をかき鳴らしています。
 
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25日。
三谷祭り最大の見せ場である”海中渡御”直前の山車。
海岸は見物客でごった返していました。
ちなみにこの三蓋傘の山車は北区で、再従兄弟が乗っていました←
 
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そしてメインの海中渡御。
一区ごとに入水していきます。浅瀬で足はつきますが、山車のほうの車輪は浮いてしまうので平行を維持しながら進むのが大変そう。
向こうに見える三河大島と小島がアクセントなり、絵になります。
 
 
さて、今回初の三谷祭りを観ての所感をば。
海中渡御は非常に見応えあるもので、これを見物するために県内外から人が駆けつける理由はよくわかりました。
最後の写真のように、そもそも蒲郡の海と島、そして海岸沿いの起伏豊かな景色の美しさも、三谷祭り見物を通じて再発見したもの。
これは当然に蒲郡が誇っていいものだと思います。
 
ただ、やはり悔しさを覚えた。
 

 

それは観光客としてここにいる自分について。

三谷祭りの海中渡御が素晴らしい一方で、そんな見世物部分はほんの1時間程度で祭りの一部分でしかない。

 

ここで改めて言うならば、あくまでこのお祭りはやはり氏神様の祭礼で、八剱神社や若宮神社の氏子達が集って実施されるきわめて地縁性の強いハレの場なわけです。

少子高齢化や後継不足の問題は全国的なもののようで、ここ三谷祭りにおいても担い手不足から、参加者を三谷地域に限定せず市内他地域からの志願者を受け入れる傾向にある模様。

それでもお祭りの基本的な性格である「地域に住む人が集って、お互いの成長や健康を確認し合い、交流する」ということに大きな変化はありません。

それがたまたま三谷祭りは、海中渡御や山車に表れているように、見世物としての面白さも兼ね備えている。

 

つまり三谷祭りに集う人々は、”地縁のつながりを温め合う地域住民の方々”と、”奇祭を見物に来る外部の方々”の2種類に分けられるわけです。

そしてその間の壁は、あまりに大きいと言える。

三谷地域ではないながらもかつてはきちんとした蒲郡市民であり、今でも蒲郡を恋しく思っている自分にとって、後者のグループにとどまっていることは悔しい以外の何物でもないわけです。

 

そこで、もう決めました。

2016年は、地元のお祭りに参加しよう。

それが三谷祭か、はたまた、もともとの氏神様である竹谷神社の祭礼であるかは決めかねていますが。

 

 

さて、最後に少し煮え切らない、整理されない思いを書きましたが、三谷祭りを準備、運営された皆様は本当にお疲れ様でした。

離れたところからながら、蒲郡市の魅力を最近少しずつ発見できて誇らしく思います。