荒川102さんが新たな動きをするようです【追記:イベント開催中止となりました】
※5月7日追記 イベントは主催者の都合により中止となったようです。
この情報を知って、かなりテンション上がりました。
荒川102さんが、記者募集説明会を実施されます!
詳細はリンク先をご覧いただければと思いますが、【5/13(土)15:30〜@南千住ふれあい館】で、説明会と簡単なワークショップを開催するようです。
ちなみに私は参加予定です。
ご存知の方は多いと思いますが、荒川102とは荒川区限定の地域メディアです。
コミュニティカレッジの出身者が中心となって立ち上げられたもので、広告を載せない形でのサイト運営と、戸田江美さんの手がけた可愛い雰囲気のページが特徴です。
昨年の8月頃に存在を知ったのですが、それ以降の更新記事はほぼ全てチェックしてますよ。
このマガジンが目指すのは、そんな、「いろんな人種が住む多様な町あらかわ」を、1つの長屋に見立 てて、いろんな人のいろんな視点で見たありのままの「近視眼的あらかわ情報」を、楽しくおかしく、 ゆるく、たまには真面目な情報も含めて、気長に伝えていくことで、気がついたらあらかわが好きな人 たちが増えている、そんなきっかけを作る、あらかわの人と人、特に、家族世代や若い人たちと地域を 結ぶミニ瓦版になることです。
(荒川102より)
荒川区愛に満ちた記者の方々による温かい記事が特徴。
その中でも私は、スタッフさんの顔が見えるグルメ記事が好きです。
ここの情報をきっかけにして、実際に足を運んだお店は数知れず。
例えば、最近のお気に入りである三角屋さんは、こちらの記事から知ったのでした。
そんな荒川102さんが、来月に新たな仲間を見つけるための説明会を開催されます。
どなたでも参加可能ということなので、気になる方は是非応募されてみては。
※facebook上で連絡の取れる方限定の募集のようです
「ゆいの森あらかわ」の良いところ3つ。
というわけで「ゆいの森あらかわ」にようやく行くことができました。
中は本当に「本の森」という感じで、所狭しと本が並べられた書棚は圧巻でした。
並べ方が独特なのか、検索端末から目当ての本を探し出さなかったということはありましたが。。
私が感じた「ゆいの森あらかわ」のありがたい点は、
- 無線LANが使える
- ほとんどの席に電源コンセントがある
- 持ち込みパソコンどこでも使える(自習室を除く)
という3つです。
もちろん図書館としての最低限の機能である"本を読める・借りれる"というところはもちろん文句なしにあって、その上のアメニティ的要素が優れているということ。
というか優れすぎてて、土日は中高生や大学生、ノマドワーカーに占拠されそうな心配もしてしまいます。
まあ、きっとそういうことも想定していながらも、使われない施設よりは人に使われる施設を、ということなんでしょうね。
。。。ただ!
ただですね、残念なところがやはりあるのです。
「部屋貸し」のサービスがないのです。
「ゆいの森あらかわ」の館内には、書棚と閲覧席だけではなく、目的に応じた部屋もあります。
例えば3階には多目的室、4階にはワークショップルーム、そして1階にはホールもあります。
こうした部屋は、あくまで図書館ほか区主催の企画に使われるのみで、一般利用は想定されていないということなのです。
荒川区の施設としては、「ひろば館」「ふれあい館」などにそうしたサービスがあるのですが、図書館には導入されなかった。
いやいや、図書館も同じようにしてもよいのでは。。。
読書に絡んだ読書会的な自主企画や、学び合いの講座なんかは「ゆいの森あらかわ」と十分親和性の高いものだと思うのですが、今のところは門戸が開かれていないのだそう。
施設のほか、図書館システムの更新にもかなり公金が使われ、使い勝手はかなりよくなりました。
今後は、少しずつではあっても臨機応変な変化がなされていくことを期待しています。
※横浜市在住
3月31日は町屋ROOM810さんの「ONE HEART SHOWER」へ!
【ONEHEARTSHOWER VOL.28】チラシが完成しました😊🎶コンセプトは『🍶花見🌸』当日はお祭り気分で一緒に乾杯しましょう~‼そして、今回はBIG発表&海を越えてSPゲストが来日!?どなたでも参加可能なROOM810主催・東日本大震災の復興支援イベント是非お越し下さい👏 pic.twitter.com/CJ0Xd1uQKd
— 株式会社ROOM810 (@810now) 2017年3月23日
もちろん主催でも何でもありませんが、シェアする感覚でイベント告知です。
今週末は「ONE HEART SHOWER vol.28」が、町屋のROOM810さんにて開催されます!
ONE HEART SHOWERとは?
モヤモヤさまぁ〜ず2の町屋特集を観てROOM810さんを初めて知り、あまりに熱いものを感じた私が衝動的に紹介記事を書いたところ、なんと向こうからアプローチいただけてお近づきになれたという奇妙で面白いご縁。
そのROOM810さんが、オープンなイベントやりますよー!
ROOM810が集めた東北のワインや日本酒(ビールやカクテルは東北産ではありません)を飲んでいただき、皆さんが飲んだ分、被災された方々に楽しんでいただく時間を作るために使われます。皆さんがお酒を飲んでくれたその収益金を貯めて、ROOM810が定期的に東日本大震災の被災地へ行き、被災地の方が無償で楽しめるイベント(居酒屋・駄菓子屋・炊き出し・ライブなど)を実施しています。
このイベントを継続している意味は3つ
・現地のどんなことでも役に立ちたい・関わる全ての人たちがこの活動を通して元気になること・あの時の気持ちを忘れない、継続すること
上記の理由で継続しています。(Facebookイベントページより)
チャリティイベントであることもポイントですが、何よりも"誰でも参加できる"ということが重要です。いや、超重要。
これまで何のつながりがなくても、来て大丈夫な場所があるんですよ。
そして私も参加予定なので、町屋や荒川区について想いのある方に一人でも二人でも出会える場になったら嬉しいなと思ってます。
ROOM810の方々や私と、町屋に関する作戦会議もある。。。かも?
クラブイベントな感じなのでやや緊張しておりますが、まあなんとかなるでしょう。。。!
イベント詳細
◆イベント詳細◆
日時:3月31日(金)
18時~23時頃場所:株式会社ROOM810 3F LOUNGE
住所:〒116-0001 東京都荒川区町屋1-6-5
料金:2500円 / Food+2drink付き
※その後のドリンクは1杯500円
参 加:事前予約不要・どなたでも参加可能です
大体の人数把握のため参加できる方は『参加ボタン』をお願いします!(Facebookイベントページより)
気になる方、たまたま金曜日のご予定ない方は、是非是非ご検討を!
3月26日開館の荒川区荒川二丁目複合施設「ゆいの森あらかわ」のおさらいと活用に向けた野望と。
満を持して開館した、「ゆいの森あらかわ」。
悲しいかな、拙ブログの中で最もアクセス数を稼いでいるのが「ゆいの森あらかわ」に関する記事のようで、最後にもう一回だけ恩恵にあやからんと書いてみます。
なお、開館の様子は見れてませんので、その点を差し引いてお読みいただけると。
【写真】開館3週間前の「ゆいの森」
3月26日現在、既に開館されてるわけですが、開館三週間前に付近をグルグルしてみた時の写真を掲載。
開館日である本日はあいにくの天気ですが、この日はとても温かかった。
会館が間近であることを示すのぼり。
これは町屋駅近くの三菱ビルテクノサービス本社敷地外周部分ですが、荒川中央通り一帯や商店街など広い範囲でのぼりが出されていました。
北側から。
1月末で竣工はしているものの、コーンバーによって立ち入りがまだ制限された状態のゆいの森。
近付くとかなりのインパクトで、さすが敷地約4,100㎡(約1,240坪)に延床約11,000㎡の巨大建築物だということが実感されます。
木造密集市街地である周辺環境から見れば不釣り合いな印象は否めないのですが、現在事業中の都市計画道路補助90号線完成の暁には、その違和感も少しは緩和されるのでしょう。
出来上がって設置されたサインが、まだ養生されています。
こうしてみると、やはりロゴマーク良いですね。可愛い。
選定の様子はあまり説明されてないのですが、こちらの女流舞踊家の方は携わられたとのことです。
開館セレモニーにも出席されるということです。お美しい。。
【ゆいの森あらかわ】本日、荒川区に新たな名所が誕生日します。数年前より【ゆいの森】の名称と、ロゴマークの選定にて携わらせて頂いたご縁で、会館記念式典に出席させて頂きました。オープンは、本日3月26日10時です!荒川区へお立ち寄りの際は、是非とも足をお運び下さい(*^^*) https://t.co/UPcCLJkueq
— 藤川 澄十郎@3/26にっぽり春祭り (@yuu_sumijuro) 2017年3月25日
東側から。
このガラス面には、カフェ「カフェドクリエプラス」が入居されているはず。
館内の本が持ち込み可能ということらしく、往来を眺めながらの読書は気持ち良さそうですね。
あれ、待てよ。。よく考えると書籍の持ち込みができないカフェってあるのか?(他に知らない)
きっと貸出し手続き前の本まで持ち込めるんだろうな。。でもそうするとBDSとの位置関係が難しいところだな。。。
また、左下に見えるまだ工事中の部分がありますが、こちらは平成29年度中に防災広場になりそうです。
施設と一体的な利用ができそうですが、無秩序な駐輪場になってしまわないかが危惧されますね。
(「施設内部の完成予想図」より)
融合された三機能
さて、この「ゆいの森あらかわ」とは一体何なのかということ。
以前のエントリでも説明していますが、開館を機に改めて。
荒川二丁目複合施設「ゆいの森あらかわ」とは、「区立図書館」「文学記念館」「子ども施設」の三機能を複合させた大規模施設です。
木造密集地域に、いかに約4,100㎡もの敷地を確保できたのかと言えば、都営住宅跡地が活用されているからですね。
(住宅市街地整備推進協議会資料より)
①荒川区中央図書館
区内最古の図書館であった荒川図書館が老朽化と接道不良を背景にその役目を終え、それに代わる図書館機能を確保するというのが「ゆいの森」の主な目的の1つとなります。
ちなみに、役目を終えた荒川図書館跡地は、防災広場として公園化する取り組みが進められています。
(閉館された荒川図書館)
これに伴い、これまでは南千住図書館が担っていた中央図書館機能を、今回の「ゆいの森」内の図書館に移すということがなされています。
同時に図書館システムの更新やホームページリニューアルも実施されており、区民にとってかなり使い勝手が良くなったのではないでしょうかね。
www.library.city.arakawa.tokyo.jp
https://www.yuinomori.city.arakawa.tokyo.jp/index.html?cookie=check
区の中央図書館と位置づけられる図書館は、約60万冊の蔵書や約800席の座席を備え、新たな発見と読書の楽しみを提供します。
(ゆいの森あらかわ公式サイトより)
②吉村昭記念文学館
そしてもう1つの目玉、吉村昭文学記念館。
歴史小説やノンフィクション作家として活躍した、荒川区東日暮里(当時は北豊島郡日暮里町)出身の作家である吉村昭氏(1927-2006)に触れる施設です。
荒川区出身で「戦艦武蔵」や「三陸海岸大津波」、「ポーツマスの旗」などで著名な作家・吉村昭氏を記念する吉村昭記念文学館では、郷土愛の醸成や文学に親しむきっかけを提供します。
(ゆいの森あらかわ公式サイトより)
本、特に物語を極端に読まない私は恥ずかしながらこの方も存じ上げません。。
吉村昭氏の全作品を展示したエントランスと、在りし日の書斎の再現が目玉の様子です。
施設としては以上ですが、これらを舞台として、企画展やイベントが実施されるようです。
まずは開館企画として、「映像化された吉村作品の世界」をテーマに企画展が始まっています。
https://www.yuinomori.city.arakawa.tokyo.jp/viewer/info.html?id=767
これを機に、吉村昭作品に触れてみましようかね。
③子どもひろば
荒川区が総合計画等で推進するスローガン「幸福実感都市あらかわ」 を実現のための施策の一つ「子育て教育都市」における目玉です。
この機能は、施設としては一か所に集中しているわけではなく、例えば図書館機能の中に「絵本館・おはなしの部屋」や「児童書コーナー」があるほか、単体の機能としても「遊びラウンジ」「託児室」「体験エリア」といった施設が館内に設置されています。
大きく分けると、親目線の育児支援向けと、子供目線の学び・体験支援があるような印象です。
(遊びラウンジ、えほん館、ベビーステーション。いずれも荒川区Facebookページより)
「ゆいの森あらかわ」をコミュニティ拠点として活用するための野心など
コミュニティ拠点たりうるか?
以上が、「ゆいの森あらかわ」に関する情報です。
大規模な予算が使われた施設、区民の皆様にとってとても便利なものとなることは間違いないのではないかと思います。
しかし、です。
荒川区長はこう謳っています。
(荒川区報2017年02月24日号(ゆいの森あらかわ特集号より)
ゆいの森あらかわが、区の文化とコミュニティづくりの新たな拠点として長く愛される施設となるよう、ご協力をお願いします。
(抜粋)
揚げ足取りのようで恐縮ですが。
素晴らしい文化の拠点には、なることでしょう。
しかし、果たしてコミュニティづくりの拠点となることができるのかについては、現在開示されている情報のみでは期待することは難しいものがあります。
ハコとして、設備としての魅力の上に、魅力あるコンテンツや仕組みといったソフト面の仕掛けや、区役所内に収まらない様々な主体との連携が重要となります。
コミュニティ拠点のイメージ
ここで、"コミュニティの拠点"というものに関するイメージを説明したいと思います。
もちろん区の考えているイメージと異なることも考えられるので、一個人のイメージであることは強調しておかないと。
それは、「既存住民と新規住民が、荒川区をテーマに結びつく」ということです。
荒川区に限らず都内のどこでも、地域に根を張った既存住民と、住処を転々とする新規住民(やや年少、居住期間短め)の間に壁が存在することが指摘されます。
これは問題とまでは言い切れませんが、課題であるとは言えます。
例えばお祭りの担い手不足、傍若無人に振る舞う若年と締め付ける大家さん、災害時などに危惧される共助の担い手不足といった現象の多くは、地縁的なコミュニケーションの不足により起こるものではないでしょうか。
この間のカベの除去は、様々な課題解決につながりうるのですが、実際にこの領域に効果的に切り込めている地域は数えるほどしかないのが現状です。
例えば文京区本郷を拠点に活動する街ing本郷が進める「本郷書生生活」やワテラス(淡路町エリアマネジメント)の案内するスチューデントハウスはいずれもスキームが似ていますが、余所者である学生を積極的に地域の担い手として受け入れようとするもので、とても面白い試みです。
こうした混ざり合いの仕組みを、荒川区単位の範囲で考えるとなると、なかなか事情が異なるところもあるのですが。
「ゆいの森あらかわ」を徹底的に活用する
というわけで、景観まちづくり塾からの流れではありますが、荒川区のコミュニティ拠点として「ゆいの森あらかわ」を徹底的に活用するために、まずは学び合いの場づくりを考えています。
読書会や学び合いは、何も共通点を持たない人同士を集めるネタとして、そしてコミュニケーションのきっかけとしてかなり有効だという考え方から、まずはここがスタートになるのではないかと考えたのです。
一緒に議論している区民の方々がとても意識高く活発なので、行政と住民の対立を煽るラディカルな提案とならないよう最新の注意を払いながら、このプロジェクトを進めていきたいと思います。
興味のある方は、ぜひご一緒にやりましょう。
【妄想】町屋プロジェクト構想其の参の前編 「"(仮称)荒川中央エリアマネジメント"による新たな地域運営」
第三弾です。
実は今回のネタは一、二を争うくらいやりたい度が高いのですが、その反面実施のハードルも大きいのも事実。
町屋地域で面白い人たちのネットワークができてきた段階で、試みてみたいなー。
バックナンバーはこちらから。
エリアマネジメントという地域運営の方式
町屋でやってみたい大きなこと、それはエリアマネジメント(以下、エリマネ)です。
簡単に言えば、既存の町会・商店街組合といった個別の自治単位とは別に、町屋地域をエリアとして活性化させるための協議体かつ法人です。
町会や商店街との違いは、加入者の相互扶助という枠を超えて、"エリマネとして利益を上げつつ、そのぶんを街に再投資する"仕組みがあることです。
また、従来的な「まちおこし」「まちづくり」との違いは、単発的なイベントではなく"戦略性を持った持続的な仕組み作り"だということです。
(いずれも国土交通省サイトより)
エリアマネジメントの中心となる組織は、NPO法人や一般社団法人といった形態をとり、一般に「まち会社」「まちづくり会社」と呼ばれます。
要は、町屋地域のためのエリアマネジメント組織、『(仮称)荒川中央エリアマネジメント』を妄想するのです。
エリアマネジメントのイメージとして、以下の資料も。
こちらは経済産業省系の資料なので、国土交通省系のエリアマネジメントと完全な一致はしていませんが、大まかな参考には。
国土交通省系のパンフレットもありますね。
http://tochi.mlit.go.jp/tocsei/areamanagement/web_contents/H20torikumi/data/susume.pdf
ちなみに、エリアマネジメントという地域運営の考え方自体は、それほど新しいものではありません。
例えばこの分野の教科書的なテキストは12年前である2005年の発刊ですが、既にエリアマネジメントの事例とされるものが多く紹介されています。
その一方で、全国各地でエリアマネジメントを担う主体が本格的に相互ネットワークを築くようになったのはここ最近のことで、例えばこちらの「全国エリアマネジメントネットワーク」は2016年に発足したばかりです。
"まちづくり"や"活性化"は、盛り上がった街の状態それ自体を指す目的志向の概念ですが、エリマネはあくまで手法を指します。
それゆえ、エリマネを立ち上げること自体が目的なのではなく、それによってどんな課題解決を行い、魅力的な街を作るかということが重要です。
エリアマネジメントの具体的なイメージ
ここまでは観念的な話でしたが、強く意識してから事例を紹介してみることで、イメージを共有したいと思います。
エリマネの手法がどのように活用され、街を変えているのでしょうか。
新住宅都市としての魅力ある発展を目指す「小杉駅周辺エリアマネジメント」
(wikipediaより)
まずは有名な武蔵小杉から。
武蔵小杉では、駅東側を中心とした再開発ラッシュにより、タワーマンションが林立する新しい住宅街が作られています。
この開発に併せて子育て世代を中心とした転入ラッシュが起こった結果、一帯が全く新しい街となっているのです。
言うまでもなく、住むところ(=マンション)があるだけでは街は成立せず、商業その他の各種機能はもちろん、文化やコミュニティというものも、街の魅力・価値の上で大事な要素となります。
しかし、ある一定の時期にまとまって作られた街においては、例えばお祭りを中心とした密接なコミュニティの未形成など、そうした要素は不足せざるをえません。
新しい街においてこうした課題に対応し、まちの魅力の保全・向上に取り組んでいくための受け皿が、この小杉駅周辺エリアマネジメントだということになります。
タワーマンション群が作る新しいコミュニティ
NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント | 武蔵小杉駅周辺の地域コミュニティの形成や安全・安心のまちづくりをめざして 略称:NPOエリマネ
こちらでエリアマネジメントを担う主体は、「NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント」。
なんと川崎市の支援により、平成21年に立ち上げられました(定款の施行)
その理念や活動領域は、こちらのパンフレットにまとめられています。
こちらや公式サイトを見ると、 子育て支援・防犯防災・交流・イベントなど、多岐にわたる領域の活動にエリマネとして取り組んでいることがわかります。
分野ごとに参加の敷居の低いワーキンググループが設けられており、会合やイベントの都度サイト上で丁寧な告知と報告が行われていることが特徴です。
(スマホ版サイトより)
こうした活動は、もはや町会が行うような自治活動に近いものです。
(コスギフェスタサイトより)
このエリマネにおいて重要なことは、エリアの魅力やブランド的価値に直接的に結びついていることです。
一般的な町会の自治活動であれば、たとえ積極的で面白い活動がなされていようとも、それはあくまで町会会員の相互扶助にすぎないほか、その活動を外に向けて発信することもありません。
ゆえに、町会活動が新規入居に結びつくということは考えにくいでしょう。
でも、武蔵小杉におけるエリマネはやや違うのです。
居住者(ここではエリマネ会員)の相互扶助という性質は同じですが、担い手となる世代の若さと発信能力の上に、不動産事業者をはじめとした企業によるエリマネ推進のパワーもあり、さらに武蔵小杉の魅力を増しています。
また、エリマネを担う主体には既存町会や商店会等もおります。
エリマネは他にも
エリマネの事例として大丸有や秋葉原は有名ですね。
前述したエリアマネジメントネットワークを眺めていたらこのあたりも気になった。
また、言わずもがなですがワテラスを中心とした淡路町エリアマネジメント。
ワテラスの高層棟に設置された学生マンションと彼らを地域活動に参加させて地域に巻き込む仕組みが、とても好きです。
今回も例によって書きすぎてしまった。
次回は後編で、町屋地域でどんなエリアマネジメントが考えられるか、を考えてみたいと思います。
【妄想】町屋プロジェクト構想其の弐 「手作りメディアでコミュニティを温める"インターネットラジオまちや"」
構想(妄想)するのは勝手だということで、町屋でやってみたら面白そうなことを引き続き書いてみます。
ちなみにこれが前回で、読書をネタにコミュニティづくりができるのではないかということを書きました。
なお、一連の妄想で対象としている"町屋"の街に明確な区切りはありませんが、共通イメージとしては
-
町屋駅の駅勢圏+α
- 住居表示的には「町屋1〜8」「荒川1〜7」をイメージしつつ、周辺の東尾久や西日暮里・東日暮里、南千住、なんなら足立区千住桜木も含む
というところです。
今回パクるのは?
もはやパクリ前提になっておりますが。。
はい、こちらです。
「サンヨネ勝手に宣伝局」
(喫茶スロース公式サイトより)
何それ。
いや、なんだそれ?という声が聞こえてきそうですね。。
要は、ネットラジオです。
これは、愛知県蒲郡市にある喫茶スロースさんというカフェが、店舗2階のスペースを活用してかつて展開していたネットラジオです。
トーク内容は、超ローカルなスーパーであるサンヨネ蒲郡店をひたすら愛でるというもの。
ラジオの他にも、読書会や落語やギター教室なんかも展開されてて、拠点を持つととこんなにも面白く使えるんだなーと思わされたきっかけの場所でもあります。
ラジオの気軽さ
なぜラジオなのかと言えば、第一に、今やウェブ空間上でラジオ放送するのがあまりに容易になったからということ。
YouTubeやニコ生、USTREAMはもはや代表的な例ですが、その他大小問わなければ、App Store上でもラジオ配信のためのアプリはゴロゴロしてます。
ラジオを配信する おすすめアプリランキング | iPhoneアプリ -Appliv
短波や中波を使ったいわゆるラジオ放送はハードル高いですが、音声を全世界に届けるという上では、もはや誰でも行うことが可能になってるというわけです。
これは始める上での気軽さという視点ですが、地域としてメディアを持つことの意義こそが大事です。
地域でメディアを持つ意義
都会人の街感覚は"駅勢圏"が基本
テレビ放送であれば在京キー局がありつつも、TCNやITSCOMといったケーブルテレビ放送が、より狭い圏域を対象としたメディアとなっていました。
荒川区・文京区・千代田区を対象としたTCNでは、荒川区と連携した番組を展開していたりします。
が、基礎自治体の圏域という括り方のメディアが、
例えば東京において意義があるとは思いにくいのです。
どういうことか。
私個人の事例を一般化するようですが、こと東京における"街"は、あくまで"最寄り駅を中心とした圏域"です。
この傾向は特に若年層ほど顕著で、「○○区民」という表現は自嘲的に使われるのみ。
要するに、「どこに住んでるの?」→「えっと、たまプラーザ(駅名)だよ。」となるわけです。
これが地方になると事情が変わってきて、
「どこに住んでるの?」→「三河塩津(駅名)だよー」となることはほとんどありません。
町屋エリアにお住いの人も、若い人ほど"荒川区民"という意識よりは、"町屋駅を中心とした町に住んでいる"という意識が支配的になるのではないでしょうか。
ちなみに、こうしたエリアの捉え方は駅勢圏と呼ばれます。
コミュニティの帰属意識の基本が駅勢圏である世代にとって、"自治体"という感覚はあまり意義を持ちません。
若い町屋民にとって、同じ荒川区内とはいえ西尾久や南千住のニュースはほとんど響かないでしょう。
お隣の足立区においても、北千住民にとって竹ノ塚や梅島はほとんど違う街です。
若い人ほど、と表現したのはなぜか。
それは、家族を持つなど、地域にきちんと根を張って生活しようとするほど、また異なる範囲の帰属意識を持つと考えられるからです。
ミクロなものは町会や班、お祭りであれば氏子組織。
そしてさらに納税者ともなるので、基礎自治体の構成員たる「○○区民」という自覚も、この段階でようやく生まれるのではないでしょうか。
このレベルの生活感覚ともなれば、自治体単位の地域メディアの存在意義は出てくるのかもしれません。
目的は区政の監視、つまり血税の使われ方に対するチェックとなってきますが。
要は、都会人にとっての帰属意識の単位として、自治体というサイズはやや過大だと思うのです。
とはいえ、最近私が大好きな地域メディアである「荒川102」は、荒川区全体を対象としたものです。
居住の長い人も短い人もひっくるめて荒川区を面白がってやろうというコンセプトを感じ、とても可能性を感じています。
"コンパクト"なメディアでコミュニティを覆う
ともあれ、そこで小さな"身の丈"のメディアの意義がでてくると思うのです。
比較的小さな、コンパクトな領域を対象とするもの。
イメージ的には、自転車で移動できるくらいの広さでしょうかね。
それは駅勢圏の考え方より、少し広いかもしれません。
その範囲で、エリア内の情報を共有するもの。
インターネットラジオに載せるコンテンツとしては、以下のようなものが挙げられそうですね。
・新店開業、商店街大売り出しなどの情報
・名物店主へのインタビュー
・防災情報(訓練)
・地域イベントの告知や実施
このあたりを、交流と学習に飢えた地元大学生が担うというのも面白いかもしれません。
事例としては、例えば共立女子大学デザインコースが提案した神保町活性化。
ここでは神保町という街の活性化の1ツールとして、付近に立地する7大学がその宣伝も兼ねたサテライトラジオをする提案がなされています。
ヨソモノの代表とも言える大学を、地域活性化の主体の1つに位置付けるという逆転の発想の面白さを感じます。
また、ラジオではありませんが、地域の放送メディアにはこんなものもあります。
やはり東京都でも足立区でもなく、あくまで北千住エリアに重きがあり、北千住民を拠点に放送活動をしています。
ここ取り組みが面白いのは、CWAVEを運営する会社の「株式会社CAN」さんは、もともと都内に整骨院を展開していた会社で、2012年頃から北千住の飲食店とコラボした「北千住街飲み」なるイベントを開催するなど、一企業として北千住を盛り上げようとされていました。
余談ですが、私が北千住に住んでいた頃、街飲みに行ったこともあります。
そのうち放送事業が軌道に乗ったのか、サイトを見るとかなり充実したラインナップになっていますね。
こうしたコンパクトな範囲での地域メディアに期待されるメリットは、地域に点在し、根無し草的な生活をしている若年世代を拾い上げて、帰属意識やコミュニティ意識をもたらしてくれるにあります。
単身だけど地域に関与してみたい、でもきっかけがない。。。と手をこまねいている人たちに、きっかけを作ることができるかもしれない。
そして、既存の担い手と新規入門者とのブレンドが発生するのではないか、と思うのです。
ROOM810×ラジオ
また、言うまでもなくラジオ放送は、ROOM810さんとの親和性がとても高いのです。
デザイン会社「ROOM810」さんは社内にラジオ部門を抱えており、番組やCMの制作を手がけられています。
そんな皆さんと手を組むことができれば、きっと魅力的な地域メディアが作れるのではないでしょうかね。
先日のモヤさまでも、カッチョいいラジオCMを即興で作られていましたね。
まずはなんでもよいから
はじめてみることですね。
今回もやはり妄想ですが、あながちナシではないと感じています。
【妄想】町屋プロジェクト構想其の壱 「読書会で0からコミュニティを作る"まちやナイトキャンパス読書会"」
町屋や荒川区に関するこの一年弱のジタバタの結果、とても嬉しいことに少しずつ蓄積ができてきました。
この蓄積、言うなれば社会関係資本的なものを、うまく活用したいのです。
そこで、町屋を舞台にやってみたいと考えていることを、これから紹介してみたいと思います。
そしてそれらは大体、他の地区で試みられてきたことです。
ええ、要はパクるのです。
TTP(徹底的にパクる)ということが必要な気がする。
TTPもできないのに、オリジナリティなんて出せるわけがない。
というかいらない。
「らしさ」を出すのは、TTP出来てからでいい。もし「真似はダメ」とか思っているなら、
その考えは今すぐ改めてほしい。すべての成長は、真似からです。
(上記ブログ記事から引用)
さて、今回パクるのは ?
今回パクる元ネタはこちらです。
「こすぎナイトキャンパス読書会」
(公式サイトより)
そう、読書会です。
"読書"や"本"というネタは、かねてからコミュニティ作りのきっかけの一つになりうる可能性を感じていたのです。
同じ本を読んだという共通点だけで、それまで見ず知らずの人同士のコミュニケーションが起こるって、すごいことでしょう。
だから自分がコミュニティ作りに携わるなら、まずは読書会からだろうなと思っていたのです。
そのあたりの経緯はこちら。
さて、「こすぎナイトキャンパス読書会」の話に戻りましょう。
「こすぎナイトキャンパス読書会」とは、武蔵小杉で進められているエリアマネジメント活動の一つです。
小杉駅周辺エリアマネジメント
そもそもエリアマネジメントとは何かを説明するのは今回の意図ではないのですが、簡単に。要は、現代的な自治会活動です。
武蔵小杉東側エリアは至る所で再開発が進められてタワーマンションができて新住民が圧倒的に入り込んできました。
もちろん各マンション単位での管理組合はあるのですが、それはあくまで区分所有法に基づくもので、コミュニティ作りの活動を担うことはありません。
そこで川崎市が主導して、この新しい街を一体的に盛り上げる組織であるNPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」が組織されたのです。
身近な生活圏内の一定のまとまり(エリア)において、様々な活動の担い手が連携を図って活動主体や組織を構成し、人材や資源を活かしながら、地域課題の解決や街の価値向上を図るなどの目標を揚げて取り組むことにより、特性や魅力のある地域(エリア)を創り、管理、運営(マネジメント)していく活動のことをいいます。
NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントでは、地域住民や市民活動団体、企業等と横断的な連携を図り、武蔵小杉のまちの維持・発展をささえる仕組みづくりや活動に取り組んでいきます。(上記サイトより引用)
「こすぎナイトキャンパス読書会」は、その活動の一環ということになる。
こすぎナイトキャンパス読書会
本を読んできて意見交換するだけ
では、その読書会はどのように行われているのか。
と言っても難しいことはほとんどなく、
課題図書を設定し、それを読了したことを前提に1時間半程度のディスカッションを行う
ということに尽きます。
主催側にファシリテーターを置いて、意見交換を促進するような進行をします。
"参加しやすさ"が大事
コンテンツも重要ですが、むしろこの読書会の目的は新参者を受け入れることにこそあります。
つまり、初めての人が参加しやすさが重要なのです。なぜか。
若者が町会・自治会入会を敬遠するのは、「興味ないから」という理由の他に、「何やっているのかわからないから」「どうやって参加するのかわからないから」の2つが大きいところではないでしょうか。
この「こすぎナイトキャンパス読書会」では、その2点を解消する試みがうまくなされています。
まず、情報公開が丁寧なのです。それがこちら。
次回開催の告知など、事細かに情報が公開されています。
基本的な情報収集源がインターネットである以上、"丁寧に""頻繁に"情報にアクセスできる環境があるということはそれだけで意義があります。
そしてさらに、参加の手続きが明確なのです。それがこちら。
「こくちーず」というインターネットサービスにより、参加希望者は簡単にフォームに必要事項を記入、参加申し込みをすることができます。
所要時間にしても、ものの3分1もかからず手続きが完了するわけです。
無料です
それが意外と大事。
主催側も参加者(もちろん課題図書の入手は各自ですが)も負担がないのが、最初のやり方としては適当な気がします。
その他読書会事例
蒲郡市の喫茶スロース読書会。
さらに、読書会の形式別まとめを発見したので紹介してみます。
町屋におけるアレンジの余地
さて、町屋ではどうするか?
とはいえ、基本設計は小杉と同様で良いと思うのです。
「防災」とか「もんじゃ」とか、テーマ設定の仕方に地域性を持たせることは一つ考えられますね。
より大事なのは、第一回の開催をいかにPRするかということ。
エリア限定な人々にリーチさせるためには、SNSはむしろ決定的な手段にならなそう。
ウェブ上のポータルを構築した上で、町会・自治会の掲示板を借りたり飲食店にフライヤー置かせてもらったり、アナログな手法による補完が必要だろうなと思います。
意外と楽しく妄想を紹介してしまった。
次回は未定。