no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

【妄想】町屋プロジェクト構想其の弐 「手作りメディアでコミュニティを温める"インターネットラジオまちや"」

構想(妄想)するのは勝手だということで、町屋でやってみたら面白そうなことを引き続き書いてみます。

ちなみにこれが前回で、読書をネタにコミュニティづくりができるのではないかということを書きました。

phantom-gon.hatenadiary.com

なお、一連の妄想で対象としている"町屋"の街に明確な区切りはありませんが、共通イメージとしては

  • 町屋駅の駅勢圏+α

  • 住居表示的には「町屋1〜8」「荒川1〜7」をイメージしつつ、周辺の東尾久や西日暮里・東日暮里、南千住、なんなら足立区千住桜木も含む

というところです。

 

 

今回パクるのは?

 

もはやパクリ前提になっておりますが。。

はい、こちらです。

 

「サンヨネ勝手に宣伝局」 

f:id:phantom_gon:20170312231909j:plain

喫茶スロース公式サイトより)

 

何それ。

 

いや、なんだそれ?という声が聞こえてきそうですね。。

要は、ネットラジオです。

 

slothcoffee.jp

slothcoffee.jp

 

これは、愛知県蒲郡市にある喫茶スロースさんというカフェが、店舗2階のスペースを活用してかつて展開していたネットラジオです。

トーク内容は、超ローカルなスーパーであるサンヨネ蒲郡店をひたすら愛でるというもの。

 

ラジオの他にも、読書会や落語やギター教室なんかも展開されてて、拠点を持つととこんなにも面白く使えるんだなーと思わされたきっかけの場所でもあります。

 

ラジオの気軽さ

なぜラジオなのかと言えば、第一に、今やウェブ空間上でラジオ放送するのがあまりに容易になったからということ。

YouTubeやニコ生、USTREAMはもはや代表的な例ですが、その他大小問わなければ、App Store上でもラジオ配信のためのアプリはゴロゴロしてます。

ラジオを配信する おすすめアプリランキング | iPhoneアプリ -Appliv

短波や中波を使ったいわゆるラジオ放送はハードル高いですが、音声を全世界に届けるという上では、もはや誰でも行うことが可能になってるというわけです。

 

これは始める上での気軽さという視点ですが、地域としてメディアを持つことの意義こそが大事です。

 

地域でメディアを持つ意義

都会人の街感覚は"駅勢圏"が基本

テレビ放送であれば在京キー局がありつつも、TCNやITSCOMといったケーブルテレビ放送が、より狭い圏域を対象としたメディアとなっていました。

荒川区・文京区・千代田区を対象としたTCNでは、荒川区と連携した番組を展開していたりします。

番組表 荒川区

が、基礎自治体の圏域という括り方のメディアが、
例えば東京において意義があるとは思いにくいのです。

どういうことか。

 

私個人の事例を一般化するようですが、こと東京における"街"は、あくまで"最寄り駅を中心とした圏域"です。

この傾向は特に若年層ほど顕著で、「○○区民」という表現は自嘲的に使われるのみ。

 

要するに、「どこに住んでるの?」→「えっと、たまプラーザ(駅名)だよ。」となるわけです。

これが地方になると事情が変わってきて、

「どこに住んでるの?」→「三河塩津(駅名)だよー」となることはほとんどありません。

 

町屋エリアにお住いの人も、若い人ほど"荒川区民"という意識よりは、"町屋駅を中心とした町に住んでいる"という意識が支配的になるのではないでしょうか。

ちなみに、こうしたエリアの捉え方は駅勢圏と呼ばれます。

駅勢圏 - Wikipedia

 

コミュニティの帰属意識の基本が駅勢圏である世代にとって、"自治体"という感覚はあまり意義を持ちません。

若い町屋民にとって、同じ荒川区内とはいえ西尾久や南千住のニュースはほとんど響かないでしょう。

お隣の足立区においても、北千住民にとって竹ノ塚や梅島はほとんど違う街です。

 

若い人ほど、と表現したのはなぜか。

それは、家族を持つなど、地域にきちんと根を張って生活しようとするほど、また異なる範囲の帰属意識を持つと考えられるからです。

ミクロなものは町会や班、お祭りであれば氏子組織。

そしてさらに納税者ともなるので、基礎自治体の構成員たる「○○区民」という自覚も、この段階でようやく生まれるのではないでしょうか。

 

このレベルの生活感覚ともなれば、自治体単位の地域メディアの存在意義は出てくるのかもしれません。

目的は区政の監視、つまり血税の使われ方に対するチェックとなってきますが。

 

要は、都会人にとっての帰属意識の単位として、自治体というサイズはやや過大だと思うのです。

 

とはいえ、最近私が大好きな地域メディアである「荒川102」は、荒川区全体を対象としたものです。
居住の長い人も短い人もひっくるめて荒川区を面白がってやろうというコンセプトを感じ、とても可能性を感じています。

arakawa102.com

 

"コンパクト"なメディアでコミュニティを覆う

ともあれ、そこで小さな"身の丈"のメディアの意義がでてくると思うのです。

比較的小さな、コンパクトな領域を対象とするもの。

イメージ的には、自転車で移動できるくらいの広さでしょうかね。

それは駅勢圏の考え方より、少し広いかもしれません。

 

その範囲で、エリア内の情報を共有するもの。

インターネットラジオに載せるコンテンツとしては、以下のようなものが挙げられそうですね。

・新店開業、商店街大売り出しなどの情報

・名物店主へのインタビュー

・防災情報(訓練)

・地域イベントの告知や実施

このあたりを、交流と学習に飢えた地元大学生が担うというのも面白いかもしれません。

 

事例としては、例えば共立女子大学デザインコースが提案した神保町活性化。

www.library.chiyoda.tokyo.jp

 ここでは神保町という街の活性化の1ツールとして、付近に立地する7大学がその宣伝も兼ねたサテライトラジオをする提案がなされています。

ヨソモノの代表とも言える大学を、地域活性化の主体の1つに位置付けるという逆転の発想の面白さを感じます。

 

また、ラジオではありませんが、地域の放送メディアにはこんなものもあります。

cwave.jp

やはり東京都でも足立区でもなく、あくまで北千住エリアに重きがあり、北千住民を拠点に放送活動をしています。

ここ取り組みが面白いのは、CWAVEを運営する会社の「株式会社CAN」さんは、もともと都内に整骨院を展開していた会社で、2012年頃から北千住の飲食店とコラボした「北千住街飲み」なるイベントを開催するなど、一企業として北千住を盛り上げようとされていました。

街飲み北千住

 

余談ですが、私が北千住に住んでいた頃、街飲みに行ったこともあります。

phantom-gon.hatenablog.com

 

そのうち放送事業が軌道に乗ったのか、サイトを見るとかなり充実したラインナップになっていますね。

 

こうしたコンパクトな範囲での地域メディアに期待されるメリットは、地域に点在し、根無し草的な生活をしている若年世代を拾い上げて、帰属意識やコミュニティ意識をもたらしてくれるにあります。

単身だけど地域に関与してみたい、でもきっかけがない。。。と手をこまねいている人たちに、きっかけを作ることができるかもしれない。

そして、既存の担い手と新規入門者とのブレンドが発生するのではないか、と思うのです。

 

ROOM810×ラジオ

また、言うまでもなくラジオ放送は、ROOM810さんとの親和性がとても高いのです。

デザイン会社「ROOM810」さんは社内にラジオ部門を抱えており、番組やCMの制作を手がけられています。

ROOM810|PORTFOLIO

 

そんな皆さんと手を組むことができれば、きっと魅力的な地域メディアが作れるのではないでしょうかね。

先日のモヤさまでも、カッチョいいラジオCMを即興で作られていましたね。

 

まずはなんでもよいから

はじめてみることですね。

今回もやはり妄想ですが、あながちナシではないと感じています。