京島に息づく"寺島四丁目"のこととかマツリズムのこととか。
四丁目睦(よんちょうめむつみ)、通称”よんむつ会”って知ってますか?
私は今年まで知りませんでした。
墨田区京島地区にかつて、寺島四丁目という地名がありました。
その寺島四丁目の氏神様として古くから親しまれていたのが、現在も残る高木神社。
行政的な住居表示の変更はありましたが、今も高木神社の氏子としてのつながりは消えません。
主に毎年6月行われる例大祭の運営をしつつ、下町文化を世に伝えるための活動をしているのが、このよんむつ会というわけです。
一般的な氏子組織とは思えないオシャレなサイトがあるので、詳しくはこちらへ。
話は少し変わって、最近関わらせてもらっているマツリズム(外部Facebookページへ)という団体があります。
地域のお祭り+ツーリズム(観光)を掲げており、公式紹介からテキストを借りれば「日本全国のお祭りに、地域の人たちと共に参加することを通じて、地域の歴史や文化、人の温かみを体感できる新しいツアー」です。
全国のお祭りと若者をつなげる事業を、これから進めていこうとしている気鋭の団体。
代表の大原さんは、「市場の失敗」に切り込む社会起業家のためのプログラムであるSUSANOOプロジェクトの第3期生でもあります。
お祭りを"見る"という従来的な楽しみだけでなく、運営する地元の方々と一緒に作り上げるプロセスまで体験してもらうことで心の底から楽しんでもらう。
担い手の減少に直面する地域にとっても活性化のチャンスとなる、という。
この間を結ぶ仲介者、マツリテーター(造語)となるのがマツリズムという団体というわけです。
説明長くなりましたが、そんなマツリズムの次のお祭りが、この"よんむつ会"が運営する高木神社の例大祭なのです。
例大祭自体は6月4日・5日とまだ先ですが、今回は貴重なことに、そのお祭りの準備(提灯の設置)に参加させていただくことができたので、そのレポートをしてみる。
スカイツリーが、倒れたらこっちまで届くんじゃないかってくらいの近距離で見えます。
ちなみにこの時点でAM7:30。
余談ですが墨田区京島といえば、都市工学的には豊島区東池袋・世田谷区太子堂と併せて、密集事業のクラシック事例として紹介されるエリアです。
形成要因は様々ですが、木造の老朽家屋がものすごい密度で集まっています。
東武の駅を出て、京成曳舟の高架をくぐったあたりから町並みが明らかに変化し、モクミツとしての顔を覗かせます。
でも、ここに惹かれるのも事実なんだよな。
到着すると既に提灯が出されており、店名ごとに仕分けされています。
どんな街でも、神社祭礼が近くなると通りに提灯が出てきませんかね?あれです、あれ。
今回提灯の設置を手伝わせていただいたのは曳舟たから通りで、ちょうど駅前から南東に向かって伸びる幅員8mくらいの道です。
かつてはこのたから通り沿いの全てが商店となってて、店名が書かれた提灯の数もそれはもうおびただしいほどだったようですが、近年はお店を畳まざるをえない事情が続き、かなり減ってしまっているとのこと。
「同級生の店が去年閉店した。俺はまだあそこの揚げ物(コロッケかメンチカツ。失念)が日本一だと思っている」という言葉には、地域に長く暮らす方々ならではの無念が込められていました。
さて、そんな提灯を、こんなふうに設置していく。
ガードレールに単管パイプが固定されており、そこから出た2本のワイヤーに、提灯を結束バンドで留めていく。
配線とかまとめるやつです。
完成するとこんな感じです。
なるべくそのお店の近くに設置されるようにとか、並べる時も順番に注意してとか、地元としては興味深いこだわりどころがあるようです。
基本的には脚立作業なのですが、数が足りるわけもないので、ほぼガードレールに乗ってワイヤーにつかまりつつやってました。。。なかなか疲れた
それでも、一通り作業が終わって、街がお祭りの雰囲気に染まっていくのを見るのは貴重だし満足感あったなー。
あと、地元の方が差し入れで飲み物をくださったり、終了後のそばも涙出るほどおいしかった。ビールも。
この体験の何よりの魅力は、東京(今は神奈川ですが)に来て初めて、地域を体感できたこと。
単身者は街との関わるチャンネルがないし、多少のジタバタでは手に入りません。
今回マツリテーターにすべて用意してもらったものではありますが、そんなプチ地域体験ができるまでに、10年かかりました。
こんな体験が少しでも続いたら、その街に住みたくなってしまう気がする。
マツリズムがビジネスチャンスとして感じているのは、この感覚でしょうか。。笑