no pleasure, no life(旧ブログ名:まちづくり、例えばこんなふうに)

意固地になるほどに"まちづくり"が気になって仕方ない。自分の関わったまちづくりの活動・調査の記録を中心にしつつ、"都市""街の変化"の話題など。 Keyword→まちづくり/都市計画/荒川区町屋/蒲郡/豊橋/三河/谷中

町屋の調査を始めてみた話。 - 「町屋銀座まちづくり? 第1回」

 

日常に疑問を持ち、なんとなくモヤモヤしているということだけがアイデンティティ

多数の流れに迎合せず、自分を持っているという意味ではそれも誇り高いのかもしれませんが、はっきり言えばカッコ悪い気がしてきたわけです。

 

 

ツイッターにはこんな鬱ツイート。
大丈夫かよ自分。
 
 

かと思えばこんな煮え切らないことも言ってて、こじらせ具合ここに極まった感あります。
これは我ながら失笑せざるをえない。笑
 
そういうの、もう終わろうかな。
 
 
今、なにがしたいかと問えば、この記事を書いたあたりからリノベーションまちづくりが気になって仕方がない。
 
 
最近いろいろ本を読んで、向かうべき方向を決められそうな状態です。

 

ええい、なりふりかまってられるか。
ということで訪れたのがこの街なわけです。
 
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荒川区町屋。
駅前は都電荒川線が通っており、沿道に咲く花はよく手入れされているようで、下町の人の好さみたいなものを感じます。
 
山手線西日暮里駅から千代田線で一駅で、京成線、都電と合わせると3路線が利用可能。
 

 
駅前を南北に走る尾竹橋通り、東西に走る都電通りは歩行者・自動車の交通が激しいものの、一歩路地に入ってしまえば、そこには身を寄せ合うように密集した木造住宅地帯(通称:モクミツ地帯)が拡がっています。
 
 
このエリアの雰囲気が、たまらなく良いんです。
もちろんモクミツはここだけでなく都内に広く分布しています。
しかし私が、特に町屋のモクミツに惹かれる理由は以下の2点から。
 

①住んでたから

 
はい、主観的でわかりやすいやつです。
 
大学在学時、3〜4年生の時にまさに町屋駅最寄りで住んでいたことがあるわけです。
都電の音がどこからともなく聞こえてくるところとか、
都心部とは時間の流れ方が違うんじゃないかってくらい落ち着いた雰囲気とか、
ラジオ体操で始まる1日とか。
 
町屋を離れてちょうど5年くらいですが、そんな思い出が早くもノスタルジックに刺激してくるわけです。
特に、あの頃に地域交流は頑張っていて、
町会入会→ラジオ体操通い
地域のスポーツクラブ入会
くらいまでは手を出せた。
 
でもそこまでで、どうもその時の不完全燃焼感が今まで尾を引いている気がする。
また町屋の街に絡みたいなー、という。
 
 
 

シャッター街にポテンシャルを感じて仕方ないから

 
今、改めて感じるのは、こちらの要素。
 
大通りから離れた住宅地の中に、おそらく高度成長期くらいに立ち並んだであろう商店街の名残があります。
その名も、町屋銀座通り
 

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これ、シャッターばかりを狙って撮影したわけでは決してなく、この沿道で撮る限りはこうなってしまうのです。

 もちろん居酒屋さんなんかは夜の需要なので、昼間は閉まってて当然なところも。

 

結果、日用品の需要を満たす店舗はこの沿道からどんどん減っており、一戸建てや、賃貸住宅付きと思われる戸建てに建て替わっていってます。

 

 

でも、都市計画的には依然としてこの沿道は商店街なのです。

どういうことか。

以下の地図をみてください。

 

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荒川区公式サイトより)

 

これは都市計画図で、その地域に立地してよい建物の用途(商業系、工業系、住宅系など)が色分けされているものです。

図面やや右側に”町屋銀座通り”の文字が見え、その沿道がピンク色に塗られていることがわかります。

このピンク色が近隣商業地域で、この色に塗られた地帯では、一般的な住宅地よりも幅広い用途が許され、また大きなボリュームの建物が建ちます。

 

参考:近隣商業地域 - Wikipedia

 

古くからの商店街の多くは近隣商業地域に色分けされていますが、資本主義的な淘汰の末、実際はこうした現状のところが少なくありません。

住宅地よりも制約が緩かったり、敷地前の道路幅員が広くて利便性も高いことから、開発圧力が強めです。

 

 

でもここ町屋銀座通りは、街の物理的な変化がやや止まった状態に見えるのです。

加えて、ここは観察する限り、通過交通がほとんどなく、歩いて楽しい環境がまだまだ残っています。

※通過交通・・・渋滞を避けるための裏道として、その地区を通過するだけの自動車

 

まあ絞り出してみればこれだけなのですが、なんかこの町屋銀座通り、何かできるんじゃないかな?

とかとか、そんなことを思ってならないわけです。

 

 

そこで、リノベーションまちづくりの一連の流れを教科書的に再現してみているところ。

とりあえずは現場での観察と、住宅地図の変遷を見て街の時系列的な変化を追っています。

 

並行して、国税庁が公表している路線価図を使って、街の不動産価値的な変位を調べています。

例えば平成27年のこの地区は、こんな評価がなされています。

国税庁ページ

 

 

このあたりから、次に打つ手を考えてみたいと思います。

あとは、どこに住むか。